今日の散歩道~芙蓉・酔芙蓉

線状降水帯の長期停滞で、関東以西の各地は記録的な雨量となり、特に九州・中国地方では大変な被害が出ています。甲子園球場の高校野球も三日連続の順延となり、これは46年振りとか。 まだ今週末までは、警戒を継続しなければいけない状況ながらも、漸く雨も一休みとなり一息入れてるタイミングですが、夏の時期の代表的な芙蓉・酔芙蓉の花を紹介します。 *芙蓉 中国原産で日本では、室町期から鑑賞され、1日で枯れて仕舞う儚さから「美しい人のたとえ」に用いられた花で、美しくしとやかな顔立ちの事を「芙蓉の顔」と言うとの事です。 花色はピンクや白色の1日花です、そろそろ花 期も盛りが過ぎました(写真撮影は7月25日) *酔芙蓉 芙蓉より花の時期が3週間ぐらい遅れ、数日前から開花が始まったばかりです。夜明けに、こちらは八重咲きで開花します、花弁は白いが夕方に向けて徐々にピンクに変色し、翌日に花弁は萎み紅色に変色する。 色が変化するさまが、まるで酒に酔って顔が赤くなるのに似てるのが名前の由来と成った由。 雨も上がり、久々に気持ち良い散歩を楽しみました。 山仲春男

しんごのキになる話㊿ 酔芙蓉の巻(その7)

ムクゲは一日花ではありませんが、人々に芙蓉と同様に夕方にはしぼんでしまうと思われています。それで人の世の短い栄華を「槿花(きんか)一朝の夢」と誤って表現されています。 また、そのはかなさ故に華道ではあまり好まれていないというのも誤りで、生け花、一輪挿し、生け花の形状を整えるのに昔から使われています。 俳句では秋の季語です。松尾芭蕉の「道のべの 木槿(もくげ)は 馬にくわれけり」という句や、小林一茶の「それがしも 其の日暮らしぞ 花木槿」があります。 良く似ている芙蓉と槿の見分け方は次のとおりです。 花の形は良く似ていますが葉を見ると違いがわかるそうです。 その他に花の大きさが芙蓉は槿より一回り大きく、めしべの先が芙蓉は曲がっているが槿は直線状、芙蓉は横に広がるが槿は縦に伸びるなどがあります。 酔芙蓉は歌謡曲にもでてきます。まずは石川さゆりの「風の盆恋歌」(作詩 なかにし礼)です。 蚊帳の中から 花を見る 咲いてはかない 酔芙蓉 若い日の 美しい 私を抱いて ほしかった しのびあう恋 風の盆 そして「酔芙蓉」(作詞 坂口照幸)そのものの題名の歌を島津悦子や伍代夏子が歌っています。 苦しまないでね 私のことで 男が曇れば あとを引く いいの 最後の 逢瀬でも 酔えるひと刻 その刻だけを せめて私に くだされば 花はひと咲き 酔芙蓉 酔芙蓉って魅力的で不思議な花ですね。 酔芙蓉の巻 終わり

しんごのキになる話㊽ 酔芙蓉の巻(その5)

ハイビスカスというのはフヨウ属一般の名称であることがわかりました。そしてHibiscus Mutabilisというのは日本では芙蓉のことでした。Mutalbilisは変化し易いという英語のMutableの意味です。 というのは、芙蓉は朝咲いて、夕方には散ってしまう一日花だからです。 また、芙蓉はハス(蓮)(ハス科ハス属)の美称であり、区別するときはハスを水芙蓉と呼び、フヨウ属の芙蓉は木芙蓉と呼ぶそうです。 芙蓉の花は昔から人々に愛されて来ました。 その白く、あるいはピンクがかかった花は美しく、また一日で散ってしまうはかない命から美女にたとえられ「芙蓉の顔(かんばせ)」などといわれました。詩歌にも詠われています。 枝ぶりの 日ごとにかはる 芙蓉かな 芭蕉 松が根に なまめくたてる 芙蓉かな 子規 反橋(そりばし)の 小さく見ゆる 芙蓉かな 漱石 ゆめにみし ひとのおとろへ 芙蓉咲く 久保田万太郎 白き芙蓉 あかき芙蓉と かさなりて 児のゆく空に 秋の雨ふる 与謝野鉄幹 芙蓉は富士山の別名でもあります。 それで戦後に安田財閥が解体して再編された芙蓉グループというのがありましたが、それは中核会社が富士銀行だったからです。その芙蓉(富士銀行)グループは現在のみずほグループに統合されました。また、新田次郎の小説には「芙蓉の人~富士山頂の妻」というのがあります。 太平洋戦争中には芙蓉という日本海軍の駆逐艦があったり、芙蓉部隊という同じく海軍の飛行隊がありました。この飛行隊は沖縄方面の敵飛行機、艦船に対する爆撃、機動部隊に対する索敵を主体として、特攻が主体となっていた当時において、夜襲戦法を用いて活躍したそうです。 また、中国語では芙蓉樹はネムノキ、芙蓉鳥はカナリアの別称、芙蓉蛋は卵白の茶碗蒸し風。芙蓉煎蛋、香煎芙蓉蛋は平らな卵焼きのことです。 酔芙蓉の巻(その6)

しんごのキになる話㊻ 酔芙蓉の巻(その3)

私はハイビスカスというのはあの赤い花だと思っていたので、「それは違うと思うよ、この大きな白い花の英文名を調べて教えてください」と頼みました。 私は今までの経験からインドの人は花の名前にあまり関心を持っていないと思っていたので、彼からの返事は期待していませんでした。しかし、すぐに彼からメールが入りました。                 私はへぇー、この大きな白い花もハイビスカスなんだなとちょっと驚きました。そしてハイビスカス・ムタビリスとは日本名でなんというのだろうと思い、今度は自分でネットを使って調べてみました すると、ハイビスカスというのは生物分類(界、門、網、目、科、属、種)のうちの下から二番目の属の名であることがわかりました。 それを上から順に述べると「植物界、被子植物門、双子葉植物網、アオイ目、アオイ科」となり、その下の「フヨウ属」の総称のことなのです。 そして、そのフヨウ属の下の「種(species)」には数え切れない種類があるのを知りました。 まず、あの赤いハイビスカスはブッソウゲ(Rose Sinensis、中国の花の意)と書いてありました。ブッソウゲは仏桑華と書きます。中国南部あるいはインド諸島が原産地といわれます。8,000種類以上の品種や雑種があるそうです。 酔芙蓉の巻(その4)につづく