シンゴ旅日記インド編(88)我輩は牛でんねん 仏教滅ぶの巻

我輩は牛でんねん 仏教滅ぶの巻 (2010年11月記) あんさん、お釈迦さんについて知ってまっか? 高血圧で心臓を上にした話かって? モー、ちゃいまんがな。お釈迦さんの一族な、インドの北から来たアーリア人で、カーストで言うと2番目のクシャトリアて言われてますけどな、そんなんとは関係のないチベット・ビルマ族らしいでっせ。その頃はどこの国の王さんも自分はクシャトリヤですって言ってたらしいですわ。 お釈迦さんの一族も結構、見得っ張りでんな。 そやけど、日本の人はインドを仏教の国やと思ってるんとちゃいまっか。 そりゃ、インドはお釈迦さんが生まれた国やけど、インドの仏教徒は人口の0.8%でんねん。 ヒンズー教81%、イスラム教12%、キリスト教2%、シーク教2%、そして5番目が仏教でんがな。その後をジャイナ教、拝火教、ユダヤ教と続いていきまんがな。 そやさかい、仏教徒はあの頭にターバン巻いてはるシーク教徒よりも少ないんでっせ、というか、今ではインドではマイナーな宗教なんですわ。 エッ、どうしてインドで興った仏教がインドで滅んでしまって、他の国に拡がって行ったのか知りたいですって。あんさん、またまた、突然のご質問でんな。 まあエエですわ、いつものことやがな。 お釈迦さんが死にはったんを仏滅と言いまんがな、これが紀元前486年とか、紀元前383年か言われたまんのや。インドやから、まあ、エエ加減ですねん。 そんでお釈迦さんな、80歳で死なはったんでっせ。 きつい修業しはって、そんな歳まで、よう生きはったと思いますわ。そんで火葬ですがな。 その時な、大きな国が八つあったんで、舎利ちゅうか遺骨を八つに分けてそれぞれの国に納めたちゅうんですわ。これが仏塔、スツーパの始まりでんな。 日本にもありますんやで、お釈迦さんの舎利が、明治時代にタイから日本に贈られたんですわ。 そのお寺知ってまっか?名古屋の日泰寺でんがな。あんさんの地元の近くやがな。 そんで、お釈迦さんが死んで100年も経ちますとな、お弟子さんたちのそのまたお弟子さんたちがお釈迦さんの教えを勝手に解釈する人が出て来たんですわ。 その頃はお釈迦さんが言わはったことをお経にまとめてませんでしたんや。 そんで、お弟子さんたちのそのまたお弟子さんちゅうか坊さんたちが、何かにまとめなアカンいうて集会を開いたんやけどな、坊さんたちな、保守派と革新派に分かれるんですわ。 こんなんはどこでも、いつでもおんなじでんな。 けどその坊さんたちの集会ではインド人やから、一旦言うたら後に引きませんがな。 よう言われまっしゃろ、『国際会議では日本人にしゃべらせて、インド人を黙らせる』のが会議運営のコツやて。 そのまとまらん議論をまとめたんが、『論蔵』って言うんですわ。 それにお釈迦さんの説教をまとめた『経蔵』ですわ。 そして坊さんたちの規則をまとめた『律蔵』とあわせて『三蔵』て言いますねん。 この三蔵をよく知ってる坊さんのことを『三蔵法師』って言うんですがな。 知ってまっか『三蔵法師』。エッ、夏目雅子やろて? ちゃいまんがな、ぎょうさんの『三蔵法師』がおるけど、日本で有名なんが孫悟空の出てくる、西遊記の元となった玄奘さんでんがな。 そう言えばな、この玄奘さんのお骨の一部も日本にあるのを知ってまっか? サイタマのお寺にあるんでっせ。 でもな、玄奘さんがインドに行ったんわ、紀元後の630年頃なんやで。 そんなん、とっくにお釈迦さんは死んでまんがな。 それに、その頃な、もう仏教はヒンズー教に迫害されてましたんや。 そりゃ、仏教の盛り言うたら紀元前250年くらいのマウリア王朝の三代目で仏教を保護したアショカ王の頃でっせ。 そのアショカ王の息子さんな、出家してからスリランカに仏教に広めに行かはって、その島の仏教の開祖にならはったんですわ。 そこからビルマ、タイ、カンボジアなんかに仏教が広がったちゅうわけですわ。 これが南回りの『仏陀=お釈迦さん』やちゅう上座仏教ですわ。 ご利益を求めるバラモン教と違って仏教は個人のゲタツが目標でんがな。 えっ、ゲダツってなんやですか? 死んで生まれての死んで生まれての輪廻のサイクルから外れて、『仏陀の世界=涅槃』へ行くんがゲダツでんがな。 上座仏教はゲダツするにはお釈迦さんと同じ厳しい修業せなアカンちゅうんですわ。 その反対にな、きつい修業せんでも、悟りを開いた人にお祈りすればゲダツできるちゅうのが大乗仏教ですわな。 そんで、この人たちな、『仏陀=永遠の真理』ちゅうて、お釈迦さんを筆頭にヒトさんに教えに行く仏陀の化身は無数におるちゅうことにしたんですわ。 それが阿弥陀如来さんや薬師如来さんたちでんがな。 そんでもってお釈迦さんの言葉を書いて文字にして広めなアカンちゅうて、お経をようけ作ったんですわ。 般若経、法華経、阿弥陀経、華厳経みたいに何千ものお経を作ったんでっせ。 それらのお経を玄奘さんたちが苦労して探し出して集めて中国に持ち帰って一生懸命に翻訳したんですわ。と言うことで仏教が教団の内部で上座と大乗に別れたんが、仏教が滅ぶ一つ目の原因やと思いますわ。 二つ目はスポンサーがおらんようになったこととちゃいまっか。 仏教ってカースト制度反対、身分差別反対ちゅうもんでしゃろ、けど、修業するってお金がかかりまんのや。そのお布施は王さんや商人階級から貰ってたんですわ。 えっ、何で王さんがバラモン教でなく仏教を援助するのかって? バラモン教てな、王さんよりも儀式するバラモンの方が位が上でっしゃろ、そんで王さんたちなバラモンの言うこと聞くのを嫌って仏教徒になったんですがな。 王さんたちは自分たちに命令するバラモンよりも小集団活動する仏教の方が好きになったんでしゃろな。 そんで王さんのなかからも仏教に帰依ひとたちがでてきましてな、大きな修道場の竹林精舎や祇園精舎を寄付しはったんですわ。 でもな、6世紀になると政治的な混乱から都市が衰退していったんですわ。 税金は入ってこおへんし、商売が上がったりやがな。 そうなると仏教教団にお金出してくれる王さんも商人さんも寄付するお金が無くなりますやろ、それに何と言っても、お葬式や結婚式や成人式はご利益第一のバラモンさんたちの独占事業やさかい、仏教教団はお金がなくなって、だんだん少のうなって行きましたんや。 それに輪をかけたんがバラモン教の反撃やがな、アーリア人の宗教やったバラモン教が地場の神さんをどんどん吸収して行ってからに、ヒンズー教と呼ばれるようになって来たんがこの頃でっせ。 何でもありでんがな。色の黒いシヴァさんやヴィシュヌさんたちをどんどんヒンズー教の神さんに取り入れていってしもうたんでっせ。 そして仏教のお釈迦さんもヴィシュヌさんの9番目の化身やっちゅうことにしたんでんわ。 やっぱりゲダツを求めるよりもご利益ですわな。 これは、いつでもどこでも一緒でんな。 そしてトドメはイスラム教でんな。知ってまっか。あのヘジラ。 イスラム教の教祖さんのメッカ征服が630年頃でんがな。 イスラムの人な、山からも、海からもインドに一杯来よったんですわ。 『右手に剣、左手にコーラン』ですがな。 お祈りしか出来ん仏教徒はもうあきませんわ。 追い出されるようにインドの北と南から東へ東へと向かって行ったんですわ。 けど、我輩な、インドで仏教が無くなったん本当の理由は、インド人には仏教が合わんかったんやと思いますわ。 そやかて、あんなにようけしゃべらはる人たちがジィーと黙って10秒以上も座禅組めるとは思えませんがな? エッ、納得出来るってですか、お前もようしゃべるインドの牛やないかって? そう言われるとそうでんな。我輩も納得ですわ。 そんなら、ついでに言わせてもらいまっさ、香川の金毘羅さんね、あそこの本尊って元はガンジス川のワニの神さんの化身って知ってましたか? アカン、また余分なこと言ってしもた。これ話すとまた長くなるさかいにもう失礼しまっさ。 ホナ、サイナラ。(もっと言いたかったんは、金毘羅さんのある山の名前やわ、象頭山や、象頭って言うたらガネーシャのこととちゃうかなあ。)   丹羽慎吾

シンゴ旅日記インド編(87)我輩は牛でんねん カーストの巻

我輩は牛でんねん カーストの巻 (2010年10月記) えっ、何ですって?インドのカーストについて知りたいですって。 あんさん、段々と、きわどい質問になって来ますな。 我輩もインドで生まれた牛やさかい、ある程度分かっとるんですが、これがややこしいんですわ。 カーストって何やと思いまっか? えっ、バラモン、クシャトリア、バイシャ、スードラの四つの階級やろってですか? そうやろな、そう思われますわな。 でもな、カーストちゅう言葉そのものはポルトガル語でんねん、血統ちゅう意味ですわ。 そやから使われ出したんは16世紀以降やね。 インドではな、カーストと言うても大きく分けて2つあるんですわ。 ヴァルナとジャティですわ。 ヴァルナはあんさんが今言わはりましたバラモンとかで分ける四つですわ。 でもな、本当はその下に不可触民があるんですわ。 身分で分けるちゅうことですわな。 ヴァルナってね、サンスクリット語で『色』ちゅう意味ですねん。 えっ、何ですって?インドネシア語でも『色』のことのワルナと言うんですって。ホ~ン。 この色ちゅう意味な、大体分かりますやろ。 キタからキタヒトがミナミにイタヒトを見てな、あっ、こいつら顔や手の色が違うわ、ちゅう訳ですがな、体の色で差別したのが始まりなんですわ。 キタからキタヒトな、キタキタって、ややこしいな、そんでもキタからキタヒトな、アーリア人ですがな、 サンスクリット語を話してましたわ。 アーリアってな、高貴な者ちゅう意味でんねん。 中央アジアからインドと反対の方向に行った人たちな、アーリアと同じ語源のイラーンになったんですわ。顔もよう似てはりますやろ。 そして、一時ヨーロッパで流行ましたやろ、サンスクリット語とヨーロッパの言葉はインド・ヨーロッパ語族言うて昔は一つやったて。そんでドイツのヒットラーさんはゲルマン民族こそが優秀で高貴なアーリア人であるって言わはったでしょ。えっ、知りませんて、そうでっか。 けどなイギリスはずるいんですわ。 インドを植民地した時代にな、インドはイスラム教徒が来る前はヒンズー教徒が支配しておった、その支配者はバラモンでイギリス人と同じアーリア人やってちゅう理屈を付けてな、植民地支配を正当化したんでっせ。 今ではヨーロッパ人とアーリア人な、直接関係ないちゅうのが本流でっせ。 でもな、インド人てヨーロッパ人と同じ顔したヒトがようけおりまんねん。 きっと、どっかでは、つながってると我輩は思いますわ。 この前の戦争中に日本もな、アイヌのヒトが東方アーリア人やってドイツに煽てられましてな一緒に戦争してな、一緒に負けてしもたんでわ。アカン、話を戻しますわ。 バラモンちゅうのは神さんの能力であるブラフマンを持つ者ちゅう意味でんねん。 その次が政治や軍隊を担当するクシャトリアでんがな。権力を持つ者ちゅう意味ですわ。 その次が農業や牛を飼ってたヴァイシャですわ。 ヴァイシャさんたちが貢物をして上の二つのバラモンとクシャトリアを経済的に支えたんですわ。 あとで商業が起きるとな、商人達もヴァイシャ階級になったんですわ。 ヴァイシャの意味ですか?部族のメンバーを意味するヴィシュから来てるんですわ。 そんで、その下が、上の三つのヴァルナに仕える奴隷みたいなスードラでんがな。 でもな、上三つのヴァルナはな、バラモン教の儀式に出れたんですわ、 男の子が第二の誕生式やちゅうバラモン教の入門式に参加するやつでんがな。 そこで生まれ変わるちゅうんで再生族って言われまんねん。 最後のスードラは参加できませんやろ、よってお母さんから一回しか、生まれへんから一生族と呼ばれて差別されてまんねん。 スードラちゅう名前は、アーリア人に征服されたどこかの部族の名前から来たらしんですわ。 そのスードラの下にな、不可蝕民でチャンダーラとかダリットとか、マハールとかいろいろ呼ばれる不浄なものを扱う階級があるんですわ。今で言うアウト・カースト、指定カーストでんな。 そんでな、上位4つのヴァルナがどうやって出来たかちゅう神話があるんですわ、人間の基となるプルシャという神さんのな、口からバラモンが、両腕からはクシャトリアが、両腿からヴァイシャが、そして両足からスードラが生まれたちゅうてね。 まるでイザナギが黄泉の国から逃げてきて体を洗ったらアマテラスとか、スサノオとかで生まれたちゅうのと、ウリ二つでんな。 インドでもウリ二つちゅうのやろか?マンゴ二つやろか、インドリンゴ二つやろか? まあ、エエわ、ヒンズー教も日本の神道と一緒で浄、不浄がありますんや。 上位三カーストが浄で下の二つが不浄でんな。 それでね、カーストのもう一つの分類のジャティですわ。 サブ・カーストとも言われまんねん。職業で分類してまんのや。代々継いで行くんでっせ。 会社でいうたらヴァルナが役職で、ジャティが部署みたいなもんでっしゃろな。 それでやね、ジャティは一職業、一ジャティやから、ヴァルナよりも種類がようけありますんや。 我輩もな、ヴァルナはせいぜいあっても100で、ジャティは3,000くらいかなって思っていましたんや。そしたら、去年政府がな、ヴァルナは6,000、ジャティは65,000もあると言うやないですか。 モー、ビックリしましたがな。 そんで、話飛びますけどインドな、何でIT産業が発達したか知ってまっか? えっ、ネルーがアメリカのマサチューセッツ工科大学のMITを真似て、インドにインド工科大学IITを設立して、今は7つものキャンパスがあったり、インド人は英語が出来るし、19x19が暗算で出来るし、ラジブ・ガンディがコンピューター。ボーイと言われて、IT産業を誘致したからやないかってですか? あんさん、結構知ってまんな。 そやけどな、IT産業で働く人がな、どのカーストに入るか知ってまっか? 新しい職業な、今までにジャティがおませんやろ、そうすると、新しいサブ・カーストになるんですわ。 IT産業ってな、上のカーストとも下のカーストとも関係おませんやろ。 それに、コンピューターの中だけで自分一人ですやろ、そやからカーストがあんまり影響おまへんのや。 そんでIT産業が発達したとも言われてまんのや。 カースト制度な、1950年公布のインド憲法では全面禁止と書いてありまんのやで。 なんせ、憲法を起案したヒトが不可蝕民のアンべードカルさんでしたさかいな。 でもな、ガンジーさんはな、カーストを無くせとは言ってませんのやで。 ワーク・シェアリングでエエやないかって言ってましたんや。 だだな、アウト・カーストはイカン、廃止やって言ってはりましたわ、えっ、吾輩が聞いたんかってですか、そんなん直接聞いたわけやないけどね。カーストって言うても複雑なんですわ。 今の政府な、知ってますか、4大カースト以外のヒトをな、指定カースト、指定民族、その他後進諸民族言うてな3つに分けてはるんやで。 指定カーストいうたらアウト・カーストでんがな。 指定民族は、これな、少数山岳民族でんがな、その他後進諸民族はヒンズー以外のヒトでんがな。 これな、一体、誰のことやって、ハッキリしてませんねん。 それに、これな、階級ちゅうよりも収入の少ない人の分け方でんがな。 そんで指定カーストと指定民族にはな、大学入学とか、役人さんになるのに22%の特別枠を設けてますんやで。 指定民族になれば優遇枠があるちゅうで指定民族にしてくれちゅうのも出てくるんですわ。 なんやよう分からん話でっしゃろ。 そんで、時々上位カーストのヒトがな、逆差別やいうて騒いでまんがな。 えっ、マレーシアにもブミ・プトラ政策ゆうて同じような枠があるってですか?ホ~ン。 そんでな、インド政府な、憲法でカーストを禁止しとるから表立って調査出来んのですわ。 そんで実態を知らんと言うてもな、国家予算で特別枠つけてどのくらいおるかの数字持ってはるんですわ。おかしな話でっしゃろ。 それな、指定カーストが16%、指定民族が8%、その他後進諸民族が27%やちゅうんですわ。 あわせて51%でんがな。 でもな、その他後進諸民族がな、もっとおるちゅう噂でんねん。 そんでな、こりゃ、調べなアカンちゅうて、来年の国勢調査で皆がどのカーストか調べるちゅうてはるんですわ。ホンマに出来るんやろか、そんなこと? そんでカーストの下の方のヒトな、昔からこりゃタマらんがなゆうて、カーストから逃れるために他の宗教に移るヒトもいるんですわ。 差別のないイスラム教とかキリスト教とか仏教とかに移るんですわ。 でもヒンズーのヒトな、イスラム教やキリスト教のヒトをアウト・カーストか、それ以下に見てるんですわ。 これではインドがパキスタンとかバングラデシュのヒトと仲良うできるわけがないですわな。 逆にヒンズー教に入りたいヒトは一番下のスードラになるんでっせ。 ヒンズー・ナショナリズムって知ってまっか? 日本でいうと自民党と青年の家と公明党と創価学会とがくっ付いたような運動でんがな。 それが政党でいうとBJPちゅうインド人民党が中心になってまんがな。 これな、ややこしいんで、またいつかお話しまっさ。 そんで、話が飛びますけどな、インドのヒトは死んだ後はどうなると思ってるか知ってまっか。 輪廻転生、サン・サーラでんがな。 えっ、同じ名前の雑誌が日本にあるってですか?ホ~ン。 ヒトの霊魂は不滅や、ちゅうんですわ。 死ぬとな、この世でしたことをな、閻魔さんが判断してな、次の世にな、いろんな姿で生まれ変わると信じてますんや。 えっ、あんさんも、子供の頃に、見たことがあるってですか? 閻魔さんがいて血の池、針の山の絵巻物があったってですか?ホ~ン。 それもありまんのやけどな、インドの人な、ヒトが死ぬとその霊魂は火葬の煙と一緒にお月さんに行って、そんで雨となって地球に降ってくるちゅうんですわ。 そしてな、地中に入ってな、食べモンに入ってな、そして男はんの体内に入って、セイシとなってヨメさんの体に入って、赤ん坊として、また生まれて来るちゅうんですわ。 でもな、ヒトに生まれるか、どうかは生きてる間にエエことしたかどうかによって決められるんですわ。 エエことしたヒトはバラモンやクシャトリアに、悪いことしてヒトはスードラやそれ以下の牛、馬、豚として生まれるちゅうんですわ。 そんでな、エエことを一杯してな、もうこれで以上ありません、完成やちゅうヒトはな、火葬にされて、ブラフマンの世界に行ってもて、もう、生まれ変わることはないちゅうでんな。 これがゲダツちゅうやつでんな。 そやもんでな、みんな、一生懸命に、生きてる間にゲダツしたいと思うてな、修業してはるんですがな。それでな、インドで貧困層を無くそう、土地改革や、農民の権利拡大や言うてもな、選挙になるとあきませんのや。 大勢の貧しい農民がこの世ではエエことしとかなアカンから地主さんに投票しましょ、そうすれば、エエことしたことになるんで、次の世で生まれ変わった時はランク上のカーストになれるわ、ちゅうて地主さんに投票しますんや。そんでなかなか改革が進まんちゅうわけでんがな。 難しいもんですな、ヒトさんの考え方な、よう分かりませんわ。 えっ、あんさんも、子供の頃におばあさんに、死ぬのか怖くないか聞いたことがあるってですか? そんで、その時におばあさんが、何で死ぬのか怖いものか、おばあさんが知ってるヒトはみんなあっちに行ったんで、死んだらまた会えると思うと嬉しいくらいやと言っておったってですか?ホ~ン。 […]

シンゴ旅日記インド編(86)我輩は牛でんねん ラーマヤナの巻

我輩は牛でんねん ラーマヤナの巻 (2010年10月記) えっ、今日はインドの大叙事詩のラーマー・ヤナとマハーバー・ラタについて教えて欲しいってですか? とうとう出ましたな、あんさん。あんな長い話を、そんな簡単にはようお話できませんがな。 けどお話しまっさ。インドと日本の友好のためやもんね。 えっ、そんな大げさなもんやないってですか、すんません。 ラーマー・ヤナ言うたらな、ラーマさんとヨメさんのシータさんの冒険物やし、マラーバー・ラタ言うたら5王子と100王子の戦闘物語でんがな。 ほな、こうしましょ、今日はラーマさんについて我輩が知っとることをお話しまっさ。 今までで、一番長くなりまっせ。よろしおますな?始めまっせ。 ラーマさんがヨメさんのシータさんを魔神のラーヴァナにさらわれて弟の王子と苦労してやっつけて一緒に帰って来ましたちゅう話ですわ。 インド人ならみんな知ってるお話でっせ。えっ、そんで終わりかって。ちゃいまんがな。 その簡単なストーリーの中にな、いろんなモンが入っとるんですわ。 まず、ラーマさんな、何回も言うたと思うけどな、ヴィシュヌちゅう神さんの生まれ変わりなんやで、アバターラやで、化身やで。いろんなものに変身しますんやで。 そんでそのたんびに嫁さんのラクシュミさんも名前を変えて出てきますんや。 でもな、ヴィシュヌさんがクリシュナで生まれた時には奥さんのルクミニーさんになったんやけど、クリシュナさんはなラーダちゅう愛人との話の方が有名なんですわ。ほんで、このラーダもラクシュミさんの化身やちゅう話もありまんのや。めちゃくちゃでんのや。 ラクシュミさんな仏教では吉祥天っていわれたまんのやで。 ヴィシュヌさんは我輩らの崇拝するシヴァさんと人気二分してますんや。ブラフマーさんはもう出番あらへんねん。 日本の相撲でゆうたら、昔のハクホウ時代でんな。 えっ、ハクホウゆうたら一人やないかですって? ちゃいまんがな、カシワドとタイホウのハクホウ時代でんがな。 そういえばトチワカ時代ちゅうのもありましたな。 その前のフタバヤマのライバルは誰やったんやろ? すんません、話をもどしますわ。 そのころの話な、シヴァさんとヴィシュヌさんら若い神さんばっか出て来るんでっせ。 きっとインドラさんたちの昔のバラモン教の神さんとヒンズーの神さんとの世代交代ちゅう時代だったんでしゃるな。 ちゅうことはバラモンさんたちバラモン教が仏教やジャイナ教に負けて、落ち目やさかいに、バラモン教をヒンズー教にしてもうて、それを広めるためにネツゾウちゅうか、地場の話の神さんをどんどん取り込んで作って行ったちゅうことですわな。 何度も言いますけど、我輩はシヴァさんファミリーの一員のマツエイでっしゃろ。 そやよって、あんまり、ヴィシュヌさんの話は好きやおまへんのや。 マハーバラタもそうやけどシヴァさんをな、下に見るちゅうか、敵視する場面が出てきまんのや。 まあ、そんでも、よろしいおま。我輩なこれでも十分に大人の牛やさかいに。 ほなら、始めまっせ。トザイ、トーザイ。カチン、カチン、これ拍子木の音でんねん、 これから幕が開くんですわ。 ―――ワンス・アポンナ・タイム・イン・インディア。 えっ、何で、英語で始まるのかってでっか。 すんません、さっきまで、シヴァさんの話を仲間の牛たちと英語でしてたんですわ。 その内容でっか?ギリシャ神話とヒンズー神話の比較論ですわ。(アカン、無視されたわ。) 昔々、魔神ラーヴァナが神様たちを苛めている時代のことでございます。 その魔神は10個の頭と20本の腕を持っておりました。 そして神にも悪魔にも殺されないということを一番偉い神様のブラフマーに約束させておりました。 そして大勢の神々が、ヴィシュヌにあの魔神はアカンヤツです、そやから、あの、その、やっつけてチョウダイと頼み行きはったんです。 えっ、なんで最初は標準語で話して、途中から関西弁に変わるんやってですか? 由緒ある物語やから、ちょっと気取って標準語がエエかなと思ったんですけど、あきませんな、やっぱし。我輩なさっき話の途中で舌噛んでもうたんですわ。 ほなら関西弁に戻しますわ。エーと、そして、丁度その頃に、ベンベン。 えっ、何で今度は三味線の音が入るんやてですか。 すんません。これ入れた方が話しやすいかなーと思ったんですわ。 で、丁度その頃にある王さんが世継ぎが欲しいって神さんたちに祈っておったんですねん。 そしたら神さんたちな、こりゃ丁度エエわ、そんならヴィシュヌさんに、あの王さんの子供として生まれ変わってもらって、魔神をやっつけてもらおうちゅうてヴィシュヌさんに頼みはったんです。そしたらすぐヴィシュヌさんがよっしゃいうてOKしなはったんですわ。 そんで、ヴィシュヌさんな、神でもない、悪魔でもない人間として生まれ変わるんでっせ。 あんさん、分かりまっか、この意味? えっ、魔神は神にも悪魔にも殺されないちゅうことやから、ヴィシュヌが神でも悪魔でもないラーマと名の人間に生まれれば神を殺せるちゅうことになるのやろって。 そうでんがな、あんさん、結構、物分りよろしいおますな、人は見かけによりませんね。 あっ、アカン、つい、いつも思っていることをつい言うてもた、すんません。 魔神ラーヴァナはランカ島ちゅう島に住んでおりました。 あのね、これモロに今のスリ・ランカのことでんがな、エエンやろかスリ・ランカのことを魔神の住む国にしてからが、国際問題にならへんかったんやろか? けど、スリランカでは魔神は英雄の神さんになっとるちゅうし、ややこしい話やで全く。 日本でいうとキラコウズケノスケとかアケチミツヒデみたいなもんですな。 まあ、エエか、今のスリランカは地域連合の仲間やし。 アカン、話を戻しまっせ、 エーと、ラーマさんのお父さんな、ヨメさんちゅうか王妃さんを3人持っておりました。 エエなあ。あんさんはヨメさん、何人居ますの? えっ、たった一人だけ。あんさん、貧しいクラスのヒトでっか? えっ、一人でも大変やて。わかりまんがな。我輩もそうやさかい。 ゴホン、まあエエわ、この話はおいとこ。 そんで,一番目のヨメさんからラーマさんが、2番目からバラタさんが、3番目からラクシュマナさんとシャトル・グナさんが生まれたんですわ。ちゅうことは弟が3人おるちゅうことですねん。 生まれた町はアヨーディアっていうんでっせ。 あのモスク破壊で裁判になっとるところでんがな。 あれな、どうなるのやろな。イスラム教徒とヒンズー教徒の長い戦いになって行くんやろうな。 あかん、この話な説明ばっかで、ちいとも先に進まへんわ。 そやで、ここからちょっと話が飛びまっせ、ラーマさんがな、シータさんと結婚する時のことですわ、ここでな、シヴァさんがヴィシュヌさんよりも弱いちゅう立場で出て来まんのやで。 シヴァさんへの敵視やで敵視。 それな、婿を選ぶ儀式でんがな、シータさんのお父さんな、王様でんがな。 その王家に伝わるシヴァさんの弓が引けた者をシータさんの婿さんにするちゅうことですがな。西洋で、良くある話でんがな。 日本でも毛利の3本の矢の話がるってですか?それ、ちゃうんとちゃいまっか? あんさん、やっぱり、黙っといて下さい、話を戻しまっせ。 その弓は今まで何人もの王子さんたちが挑戦したけど、誰れも上手くいかんかったんですわ、そやけど、ヴィシュヌさんの生まれかわりのラーマさんがいとも簡単にシヴァさんの弓を引いてな、力余ってシヴァさんの弓をへし折ったちゅうんでんがな。 全くケッタクソ悪い話やな、ホンマに。 そんでラーマさんな、シータさんをヨメさんにしたんでっせ。 ラーマさんの弟の王子3人もな、シータさんとこの関係者と結婚しはったんですわ。 そんで、ここでシータさんの役回りを言いいますとね、本当は人間やのうて、畑を耕しているときに出てきた赤ん坊やねんで。つまり大地の女神の娘ちゅうことなんでっせ。 これな、最後のオチと関係ありますんで一寸覚えておいてくださいね。 そんで今度はラーマさんのお父さんでんがな、王位を長男のラーマさんに譲ろうとしたんやけどな、2番目のヨメさんにな、ある秘密を握られていたんで、そのヨメさんの王子であるバラタさんが王位を継いでね、ラーマさんたちは14年間森の中に追放されることになったんですわ。 でもな、バラタさんはお母さんの考えについてけんちゅうてラーマ兄さん帰って来てチョウダイって言わはったんやけど、ラーマさんは一旦決まったことを“クツがえしてはアカン”ちゅうな、クツ、ちゃうわ、自分のサンダルをバラタさんに渡したんですわ。 そんでバラタさんは父親の王さんが亡くなってから、そのサンダルを王座に置いてな、兄さんが帰ってくるまで待ってますって誓って政治を行ったんですわ。 えっ、バラタのお母さんが握ってた秘密はなんですかって? 何でも王さんな、若い時にそのヨメさんにアブナイところを救われてな、2つの望みを叶えてやるって約束したんやて。 それはさておき、この場面の見所はな、ラーマのお父さんの王さんが若い時に狩をしててな、間違って若い修行者を殺してしもうて、その修行者の父親からな、『あなたも、息子を失った悲しみの中で死んでいくであろう』って呪いを掛けられていたちゅうことですわ。 よう出来た話やな、全く。 えっ、そりゃあ物語やからやってですか?あんさん、想像力のない人でんな。 そんで、ラーマさんたちな、森の中に入って悪魔や猛獣を退治して暮らしとったんやけど、そこに、あの魔神ラーヴァナの妹が通りかかってラーマさんに一目惚れしましたんや。 当然振られまんがな。そんなこと分かってまんがな。 そうしたらな、魔神の妹さんどうしたと思います。 したことは恋愛心理学者の言う通りでんな悪魔でも。 オナゴさんちゅうのは。その憎しみちゅうもんが好きなヒトではなくてライバルの方に向かうんですわ。 あの女がおるからアカンのや、あの女さえ居なくなれば、きっとあの人は私を愛してくれるって思い込むんだそうですわ。今でも新聞記事にありますやろ。 愛人が奥さん殺す話。アカン、アカン、話がまた飛びましたね。 そんで魔神の妹さんな、新聞記事の愛人と同じでシータさんを殺そうとしたんですわ、 でも残念やね。その魔神の妹さんな、ラーマさんの弟のラクシュマナさんに耳と鼻を切られてしもうたんですがな。 そんでお兄ちゃん助けてーちゅうて、スリ・ランカ、ちゃう、ランカ島のお兄さんに助け求めたんですわ。魔神でも妹は可愛いもんですわ。 それに傷モンにされましたもんで怒りシントウでんがな。 あれっ、この魔神は頭が10個あったちゅうさかい、怒りはどの頭へ行くんやろね、10個全部に行くのやろかね。 そんでね、魔神の兄さんな、友達の魔神と空飛ぶ車でラーマのいる森に飛んで行ったんですわ。 そしてシータをさらうためにいろいろ策を練ったんですがな、シータのそばにはラーマの弟のラクシュマナさんが、離れずに守っておりますんで、うまくシータさんをさらえんのですわ。 けどな、魔神の友達がラーマさんと戦ってラーマさんの矢に倒れた時にな、ラーマさんの声を真似して断末魔の叫びを上げたんですわ。 それを聞いた弟のラクシュマナさんな、この時ばかりはシータさんを置いてけぼりにして、声のする方に飛んで行ってしもたんですわ。 その隙に魔神ラーヴァナがな、遊行僧に化けてシータさんを安心させて連れて出して、空飛ぶ車に乗せてさろうてしまったんですわ。 そしてシータさんをランカー島に連れて行ってしてもうたんですわ。 そんで、今度は魔神ラーヴァナがシータさんに一目惚れでんがな。 でもな、シータさんな、当然拒絶ですわな。 魔神な、そうであれば、私への愛が芽生えるまで、いつまでもいつまでも待ちます、ちゅうてな、シータさんを部屋に閉じ込めてしまったんですわ。 この神の兄妹は惚れやすいタイプやね。 […]

シンゴ旅日記インド編(85)我輩は牛でんねん ヴィシュヌさんの巻

我輩は牛でんねん ヴィシュヌさんの巻 (2010年10月記) えっ、今度はヴィシュヌさんの話が聞きたいちゅうんですか? ヴィシュヌさんは我輩のファミリーのシヴァさんのライバルやから、あんまり気が進まんのやけど、よっしゃ、世界平和のために、ご紹介しますわ。 えっ、世界平和と関係がないってですか?すんません。 あんさん、ヴィシュヌさんのブロマイドを見たことありまっか? あれを見るとな、ヴィシュヌの頭の上でヘビが守っていますんや。 アナンタ竜王でんがな、ヘビやけど竜でっせ。 サンスクリット語のナーガを中国で訳す時に竜にしはったんですわ。 えっ、インドネシア語でもヘビのことをナーガと言うんでっか、ホ~ン。 でもな、見れば分かるけどな、あのヘビな、キングコブラでっせ。 そんでな、ヴィシュヌさん、寝てはりますやろ、お釈迦さんと同じでんがな。 話が飛びますけどな、お釈迦さんな、年取ってからは高血圧やったって知ってはりまっか。 お釈迦さんな、いつも心臓が上になるように左胸を上にして寝てまっしゃろ。あれな、血液が体中に流れやすいように寝てまんのやで。 左胸にある心臓を下にして横向きますとね心臓のポンプが上に血を送らなあかん境が疲れまんのや。 お釈迦さんて80歳で死なはったけど、高血圧だけやったんやろか? そやけどヴィシュヌさんの寝てはる絵はな、右も左も下にしてまんのや。 きっとヴィシュヌさんが生まれる前の絵やから、血圧関係なかったんやろね。 そんでな、ヴィシュヌさんの4本の手、あのな、ヒンズーの神さんは昔のブロマイドではみなさん手が4本あるんでっせ。 昔のヒトは何でも四つに分けるのが好きやったんやろね。 人生がそうやろ。あんさんなんか、もう遊行期でしゃろ。 えっ、何やて、それはって? インドのヒトな、人生を学習期、家住期、林住期、遊行期の4つに分けてまんのや。 遊行期は最後の段階やがな、托鉢して聖地に向かって歩いて、キレイな心で死を迎えるんでっせ。 えっ、ワシはもう死ぬしかないという意味かってですか? すんません。そんな積もりや無かったんですわ。 でも、もう世の中に欲望がないちゅう顔は、エーと、よおー見るとそんな風には見えませんわな。 話変えますわ、遊行期の前の林住期な、これは家を息子に譲ってヨメさんと一緒に森の中で修業するちゅう話ですわ。日本でも、五木ヒロシ、ちゃう、ちゃう、アレ、アレ、ソウ、ソウ、五木ヒロユキさんがこの林住期ちゅう本を書いてますやろ。 あのヒトな、大学のお金払えんで抹籍されはったど、有名になってから学費納めたんで中途退学扱いになっとるんやってね。苦労してはるんですな。そやからあんなけ白髪なんやろか。 あれっ、ヴィシュヌさんの手の話でしたな。 そんでね、その四つの手に持ってはるものはチャクラちゅう円盤、棍棒、ほら貝、そんで蓮華ですわ。 あんさん、チャクラを知ってはりまっか? 武器でっせ。ビューンと飛んで行って、敵をやっつけて戻ってくるんでっせ。ブーメランと同じでんがな。 このチャクラな、ヨガちゅうか、インドの漢方みたい医学のアユ―ルベーダでも使われてまんのや。 体には7つの輪の急所があって順番に瞑想しながらその輪のチャクラを開いて行くんですわ。 その中の一つが額でんがな。あの赤いマークを付けるところですわ。第三の目ですわ。 ここを刺激しますとね、直観力ちゅうか第六感が湧いて来るんやて。そんでヒンズーのヒトはそこに印をつけるんですわ。また、話しがチャクラみたいに飛びましたな。 ついでに持ち物も二つ飛んで、四つ目の蓮の花ですわ、この蓮の意味を知ってまっか? 水と大地と生命の象徴ですわ、それに朝咲いて夜閉じますやろ、あの蓮の花。 そんで太陽を意味するんですわ。それが再生と創造に繋がって行くんですがな。 仏教でもな、蓮の花の上にお釈迦さんが座ってますやろ。 仏教言うたら、法華経ちゅうのがありますやろ、あれのサンスクリット名は『正しい教えの白い蓮の花』ちゅう意味なんやて。 ヴィシュヌさんの話ゆうてもな、本名のヴィシュヌさんで活躍する話が少ないんですわ。 ヴィシュヌの名前で出てくる有名なんは、宇宙創造神話でんな。 ヴィシュヌさんな、海の上でさっきのアナンタ竜王さんをベッドにして永遠に寝てたらな、ヘソから一本の蓮が生えてきて花が開くと中に創造神のブラフマンさんが座っておったちゅう話ですわ。 これ何が言いたいか分かりまっか。 またヴィシュヌ・グループの作り話でんがな。 世界を作ったんはブラフマーさんやけど、そのブラフマーさんを生んだのがヴィシュヌさんやから、ヴィシュヌさんの方がエライちゅうわけでんがな。 アホらし。えっ、吾輩がえらいヴィシュヌを馬鹿にしとるなってですか? そりゃそうでんがな、我輩なシヴァさんの、、、。 えっ、ファミリーやって、言うのやろってですか? よう、ご存知でんな、えっ、もう何回も聞いているから、耳にタコが出来てるってですか? おおきに、ありがとうさんです。 でも、あんさん、耳にタコですか?ヴィシュヌさんに出来たんわ、ヘソに蓮の花でしたで。 あっ、これ、シャレです。シャレです。これ。あんまりオモロないですな。 まあ、エエですわ、そんでヴィシュヌさんな、変身で有名になったんですわ。 その変身なサンスクリット語で『アバターラ』って言いますんやで。 『アバター』ちゅう映画ありましたやろ、宇宙人とヒトさんのハーフの物語。あれでんがな。 アバターにエクボちゃいまっせ。 そんでヴィシュヌさんの変身な、ちゃう、日本語では変身やのうて化身って言うんですってね。 今年日本で流行っとる竜馬の福山さんね、あのヒトが去年、歌ってたらしいですね、化身ちゅう題の歌を。それってヴィシュヌさんがモデルちゃいまっか? そんでな、ヴィシュヌさんがいろんなモンに化身するちゅうことはヒンズー教があっちゃ、こっちゃの神さんや、神話を取り入れていった証拠でんがな。 会社でいうたらニホンデンサンさんみたいなもんですわ。 合併、合併で大きくなって行ったんですわ。 そんでな、よう言われる10の化身て言うたら、魚、亀、猪、人獅子、小人、斧を持つラーマ、ラーマーヤナのラーマ、クリシュナ、お釈迦さん、カルキですわ。これ以外にもあと12もの化身をする話もありますんやで。ガンジーさんもそうやちゅう話もありますんや。 ヴィシュヌさんな、この化身の中のラーマ王子とクリシュナさんの二つの役で有名になってるようなもんですわ。 そりゃ、クリシュナさんは赤ん坊の時から可愛くて、大きくならはっても、もてて、もてて、長谷川一夫、佐田啓二、最近でゆうたら草刈正雄みないなモンでんがな。 えっ、出てくるヒトがエライい昔のヒトばっかしやってですか? すんません、オトンから聞いた二枚目のヒトばっかりですわ。 そんでラーマやクリシュナの話ってどんな話やってですか? アカン、アカン、そんなん、話しとったら、どんなけ時間あっても足りませんで。 今度にしましょ。ただ最後のカルキな、水道水に入れるノンとちゃいますけどな、これはヴィシュヌさんの未来のアバターラなんですわ。 そやから、まだ現れてませんのや。 このカルキさんは世界が終わりの時のヒトさんが堕落し切った時に現れるんですわ。 その姿は馬なんですわ。どうしても、カッコエエ時は馬やね、現れるの。 白馬にまたがった騎士やちゅうんですわ。黙示録の騎士と同じでんな。それよりもな、ヴィシュヌさんのヨメさんやがな。 ラクシュミーさんて言うんでっせ。 日本でいう吉祥天さんですわ。二人はいつごろ、どうやって出会ったのかって? あんさん、夫婦善哉のミヤコ喋々さんみたいなや。 えっ、また古い話やってですか? 最近は三枝さんが新婚さんいらっしゃいちゅうのをやっとるてですか。 きっと、それは夫婦善哉のコピーやね。 あんさんは蝶々さんのダンナさんの南都雄二さんの名前の由来を知ってまっか?雄二さんな、もともと芸人とちゃいまんねん。 二人は駆け落ちなんですわ。そんで台本読む時に雄二さんな、字が読めへんさかい、これ何と言う字やっていつも聞きはたったんやて。 そんで、その口癖の何という字が芸名になったんやて。 あんさん、あんさん、あんまり、深う考えなさんなや。 そんでね。ヴィシュヌさんとラクシュミーさんの二人の出会いな、ズッコイんやで。 ヴィシュヌさんの化身で言うと二番目の亀の巻でんがな。 あの乳海攪拌でんがな。神さんたちが不老不死の薬アムリタが欲しい言うてな、ヴィシュヌさんに相談したんですわ。 そしたら山をスリコギにして海をかき回せってメチャクチャなことを言わはったんですわ。 神さんたちな、敵のアスラの神さんも一緒になって竜を山に巻きつけて海を一生懸命かき回したんですわ。そうしたらな、海の底に穴が空いてもて山が沈みそうになったんで、ヴィシュヌさんが亀に化けて海に潜って山を支えたちゅうんですわ。 そして続けてかき回してたら海の水が乳色になってな、中からいろんなモンが出てきたちゅう話でんねん。 まず最初が、ゴホン、メス牛のスラピーさんでんがな。 ゴホン、我輩の先祖でんがな。 このスラピーさんな、願ったモンを何でも出せる牛でしたんやで。 きっとドラエモンの先祖でもあったんやろね。 このスラピーさんと聖仙のカシュヤバさんの間に生まれたんが、ゴホン、オス牛のナンディンさんやがな。 えっ、ゴホン、ゴホンて吾輩が風邪ひいたんとちゃうかって。 ちゃうまっせ、ええですか、よ~う、聞きなはれや、乳の海から出てきたんが我輩らの先祖さんの、、、。えっ、もう、十分に分かったから先に進めってですか? あんさん、冷たいヒトやね。ここまで話させといて、次に行けちゅうのですか。 まあ、エエですわ。 でもね、日本にもありますやろ、不老不死の伝説。 徐福伝説ゆうて、中国のシンのシコウテイに東のホウライという国に不老不死の霊薬があるゆうてな、出て行ったマンマ、帰らんかったヒトのはなし、日本中にあるそうですがな。 その他にもありますやろ、タケトリ・ストーリーでんがな、プリンセス・カグヤが月に帰ってもて、おじいさんが、カグヤのおらんこの世にはミレンはない。不老不死を得ても仕方がない、一番高い山で燃してくれちゅうて、その山が不死山いうて、今の冨士山になった言うて。 えっ、そんで、いつ、ラクシュミーさんが生まれるのかって? あんさん、あんまり日本の伝説に興味がないみたい人みたいやね。 そんでな、スラピーさんの次が、馬で、その次が、象で、宝石で、聖樹、天女、そしてラクシュミーさんですわ。 ラクシュミーさんな、自分でヴィシュヌさんをムコさんに選んでな、ちゃっかりヨメさんになってしもうたんですわ。 そしたら、神さんたちが、悔しい、残念や、何でや、て言うとるとな、酒の女神さんが出て来て神さんたちに、まあまあ言うてお酒振舞って宥めたんでんがな、 そんで次にお医者さんの神さん、いや、神さんのお医者さん、まあどっちでもエエけどな、その神さんが不老不死のアムルタを持って出て来たちゅう話ですわ。 […]

シンゴ旅日記インド編(84)我輩は牛である の巻

我輩は牛であるの巻 (2010年9月記) 我輩は牛である。インドの牛である。名前はまだない。と云うか、知らないのである。 自由なる牛である、と云うか、一日中ジーと考えて居る牛である。 なぜなら我輩らは考える牛であるべきだからである。 ジーとしていることによって人は我輩らを崇拝するのである。 ジーとしている本当の理由は、我輩らは動くとお腹が空くからである。 体重÷身長÷身長のメタボ係数で表すと、かなり高い数値が出るであろう。 しかし、我輩らの身長は何処から何処迄を云うのか分からないのである。 ヒズメの先からコブの天辺迄か?尻尾の付け根から角の付け根迄か、だから標準係数も分からないのである。 毎日最短距離で何処へ行けば食事に有りつけるのか、何を食べればお腹が一杯になるかを考えて居るのである。目を細め、鼻で食べ物の在処を探して居るのである。 我輩は自由牛だから飼い主は居ないのである。 中には飼い主の居る仲間もいる。 鼻飾りをしている牛も居る。町を牧場の様に漁り、走り回っている牛も居る。 そして田舎の仲間の様に荷車を引いたり、田畑に入って土を耕している牛も居るのである。田舎の仲間と云えば最近田舎ではトラクターと云うトラの名の付く機械牛が仲間の仕事をしてくれて居る。 その機械牛は草を食わない。田舎の仲間は其れを良い事に野原で草を食べ、腹が一杯に為れば農道に寝そべって居るのである。此れで良いのだろうか? しかし、其れで良いのである。 我々の消化物は人の役に立つのである。 牝牛達の乳だけではない。 我々が毎日消化して出す〇ン○は人の役に立って居るのである。 燃料に、肥料に、家の補修材に、時には薬と為り、化粧品に為るのである。 我々は生きる有機製品生産工場なのである。 考えてみれば我輩に田舎の仲間を責める資格は無い。 我輩だって田舎の仲間の様に野原の草を食べて一日中寝て居たいのである。 然し都会で人に崇拝されて居るのでそうゆう訳には行かないのである。 其れに犬、山羊、驢馬と食べ物の取り合いをしなければ為らないのである。 山羊は紙だけ食べると思って居たら草も食べるのである。 犬だって時には草を食べるのである。 この国は昔から我輩ら牛を食べない人が多いのである。 何故だか分からない。 きっとその大昔に我輩らの先祖を食べて、お腹を壊したしたのであろう。 其れとも肉を保存する技術がなく、暑い国だから腐食してしまうためであろうか。 しかし、他の国では牛を食べるのである。 草を食う牛のその肉を食べるのである。 で在れば、何故、人は草を直接食べないのか。 その方が省力的ではないか。 最近では牛に草を食べさせないで牛の粉を入れて共食いさせて居る人が居ると云う。 その方が早く大きく育つと思って居ると云う。 その結果我輩の仲間達を病気にさせて殺して居ると云う。 運動選手の筋肉増強剤と勘違いして居るのである。 渡輩たちは人の考えが分からないのである。 最近はこの町でも外国人を多く見掛ける。先程も米国人の年寄りの団体と日本人の学者先生達が通って行った。 我輩を見て感心して居た。 我輩は只暑いし、お腹が空くので静かにしてジーとして居るだけである。 其れなのに『Oh, wonderful, He looks like a philosopher』 とか『やはりインドの牛は違いますね。物思いに耽って居ますね』とか云って通り過ぎて行った。 我輩らは人間の言葉は話せぬが理解は出来るし、人間の知識も豊富に持っている。 先祖が世界に散って行ったので、其のネットワークには素晴らしい物がある。 『News』(乳s)通信と云う通信モーを先祖から引き継いで居るのである。 処で先程、白い馬に乗った花婿が通って行った。 馬は結婚式に出ても様に為るのである。 足は長いし、顔は長いし、尻尾は立派であるからである。 此れが牛だと新郎新婦は二人の将来が心配に為るのであろう。 世界に競馬場は在るが競牛場は無い。 犬や蛙や蚤でさえ競争する場所が在るのにである。 遊園地でも子供が乗る馬の乗り物は在るが牛の乗り物は無い。因って今日は馬と牛について考えて見たい。 ウ・マとウ・シ。 ウを消去すれば、マとシが違うだけである。 中国語で馬はマーという。 であれば、牛はシーというのだろうか? 違うのである。 牛肉麺をニュウ・ロー・メンと言うように、中国語ではニュウと言うのである。 マとシのわずか一文字しか違わないのに、結果は大きく違って居るのである。 馬は西部劇のカウボーイや白馬の騎士等と主役に劣らぬ位の良い役回りである。 カウボーイと云うが彼らは『馬』に乗って『牛』を追い掛けて居るのである。 『馬乗り』で在るから本来はホース・ボーイと云うのが正しいのではないか。 カウボーイが『牛』に乗ったらロデオに為るのである。 西班牙では私たちに刃物を刺して弄り殺しにする見世物がある。 何故、牛でなくては為らないのだ。 馬では駄目なのか、豚や河馬では駄目なのか? 吾輩は国際動物愛護連盟に訴えたいと思っておる。 日本でも少々古いが、鞍馬天狗、怪傑ハリマオ、白馬童子等は皆、馬に乗って出て来たのである。 牛に乗ったアラカン、大瀬康一、山城新伍は出て来ない。 また馬は歌に為るのである。『お馬の親子』『牧場の朝』などの童謡を始め日本の歌謡曲では三橋美智也等が馬の歌をよく歌って居った。『わ~ら~に、まみれてヨー、~~』。 牛について歌う歌謡曲を聞いた事が無い。 あの内藤洋子も『白馬のルンナ』と云う歌を歌っていた。 『乳牛のルンナ』と言う歌は無い。 ルンナに良く似た語彙で『ドナドナ』と云う西洋の歌がある。 日本でも有名な歌である。今の若い人は知らないであろう。 『荷馬車がゴトゴト 子牛を載せて行く』のだ。 最初に馬も出て来るのである。牛を運ぶ馬車の役である。 だが、子牛は何処へ連れて行かれるのか? この歌には実は恐ろしい事実が隠されて居るのである。 此の作者はユダヤ人でホロコーストの時代に妻と息子二人が強制収用所に連れて行かれたのである。 『DONADONA』は原語では『DONAYDONAY』で『DONAY』と云うのはヘブライ語で『主よ』と云う意味が隠されているのである。 ナチに連行される家族を悲しく、悔しく見送った歌なのである。 連れて行かれる子牛に擬えて親牛の心境を綴った歌なのである。 涙無くしては聞けない歌である。 昔から我輩ら牛と彼の馬達とは人の暮らしに深く結び付いて居るのである。然し、誤解されている事もある。 車では馬車も牛車もある、しかし、顔については馬面とは云うが牛面とは云は無いのである。我輩らも結構顔は長いのにである。 其れに人は我輩ら牛に対して多くの誤解をして居るのである。 例えば、『牛飲馬食』此れはおかしい。 牛飲というが馬の方が水を良く飲む。水を入れる物をバケツ(馬尻)というではないか、すまん、少しジョークを入れて見た。 馬食というが我輩たち牛の方が良く食べる。胃も馬より多く長いのである。 馬に就いての諺は次の通りである。 『天高く馬肥ゆ』 牛だって肥えるのである。牛はいつも太っている様に見られて居るのだろうか。 『人間万事塞翁が馬』 牛では多分、否、きっと、否、必ず、出て行って仕舞えば、二度と戻って来ないのである。行った切りに成るので諺の意味が違って来るのである。 「人間万事塞翁が牛」では人生が悲劇に成るのである。 『馬には乗ってみよ、人には沿うてみよ』 先ず乗って試せ、付き合って判断せよである。牛にも乗って見て欲しい。 『竹馬の友』 タケウマと読まないでほしい、何故チクバと音読みするのだ。で、あれば友もユウと音読みしてチクバのユウと云うべきであると考える。 […]

シンゴ旅日記インド編(83)我輩は牛でんねん シヴァさんの巻

我輩は牛でんねん シヴァさんの巻(2010年9月記) 何ですって? インドから日本に帰って来たヒトから、スーパー・ウィルスが見つかって、それはどんな薬にも抵抗力を持っておるってですか。ホ~ン。 そんで、その細菌の名前がNDM1ちゅうて、最初のNDがニュー・デリーの略やちゅうんですか、ホ~ン。 えっ、ヒトさんは昔からウィルスとの戦いやったんですか? ヒトがウィルスをやっつけようと薬を作ると、今度はその薬が効かんようなウィルスが出て来るちゅうんですか? ウィルスは何でも取り込んで生き延びて来たちゅうんですか、ホ~ン。 それやったらヒンズー教と同じようなモンでんな。 何でかですって。 知ってまっか、わずかに3500年くらい前やろか、インドの北からな、アーリアちゅうヒトたちがな、攻めてきたんですわ。 インドの北の方やちゅうてもな、今な、問題になっとるアフガニスタンかパキスタンあたりでっせ。 そのころのな、インダス川にはモヘンジョダロやハラッパちゅう大きな都市があってな、ドラヴィタと呼ばれるヒトたちがおって栄えていたんやて。 そやけどな、北から来たヒトに勝てんかったのですわ。 北のヒトは馬に乗ってはったし、鉄を作ってはったんで、南の農業やっとるヒトではチカラで勝てんのでしたわ。 南のヒトの使うとる動物は我輩ら牛でっしゃろ、そりゃ馬さんには負けますわな。 アカン、先祖さんの牛の悪口言ってもた、先祖さん、カンニンやで。 そんでドラヴィタさんたちな、もっと南へ、さらに南へと移りはったんですわ。 さらに西へちゅうたのは日本の昔のシンカンセンですってね。 すんません。話が飛んでもて。 アーリアのヒトたちな、バラモン教ちゅう宗教を持ってたんですわ。 バラモンですよ。シナモン、ゴエモン、ポケモンとちゃいまっせ。 そんなダシャレ言わんでもエエってですか?すんません。 その頃のな、バラモン教はお酒を飲んではったり、牛を神さんに祀って食べたりしてたんでっせ。 この話は止めますわ。牛を食べる話は、あっちゃに置いときますわ。 我輩な、牛の一族として食べられると思うとちょっとだけ気分が悪うなるんですわ。 そのバラモン教な、ヴェーダちゅう神話みたいな、宗教儀式を書いたようなモンがありましたんや。 そんでね、それには神に仕えるバラモンが一番エライって書いてあったんですわ。 カースト制度の始まりでんな。 そしてね、インドの東側のガンジス川の方までアーリアさんが広がってね、町が大きくなって行ったんですわ。 そうするとな、商売をするヒトが増えてきて自由にモノを考えるヒトが増えてきたんですわ、バラモンはおかしい、バカモンやないかちゅうヒトたちが出てきたんですわ。 えっ、そのシャレはおもろないってですか? すんません。(なんか今日は謝ってばっかしやな、我輩) それやったら、言い直しますわ、今から2500年くらい前にバラモンはアカンちゅう宗教が出て来たんですわ。 それの代表選手がゴータマ・シッタルダさんでんがな。 この人を知ったるだ?(アカン、またダシャレになってもた。オッサンが分からんうちに続けたろ)お釈迦さんやで。それでバラモン教が下火になったんですわ。 バラモンのヒトたちな、信者を取られてしまうんで、こりゃ、アカン、おマンマ食えんようになるちゅうことでな、こりゃ何でも取り入れた方がエエワちゅうことになってね。地場の神さんたちもどんどんバラモン教に取り込んで行きましたんや。 そうしてバラモンさんたちな、仏教の真似して牛を食べてはアカンて言い出したんですわ。 その頃でんな、インドラさんやブラフマンさんたちみたいなアーリアの元々の神さんが人気が無くのうてもて、シヴァさんとヴィシュヌさんちゅうアーリアでない神さんに人気が集中して来たんですわ。世代交代ちゅうやつでんな。 そんでバラモンさんたちな、お釈迦さんはホンマはヴィシュヌさんの化身やちゅう話も作りあげたんでっせ。 これ、ネツゾウでっせ。何でもありのマージャン・ゲームみたいなモンでんな。 えっ、何でそんなゲームを知っとるんやってですか? こう見えても何でも知ってるインテリでんがな、我輩。 日本の文化、風習、歴史、風俗をみんな勉強しましたで。 風俗の時が一番おもろかったですな。グフッ、フクワラ、ヨシワラ、オゴトでっしゃろ、あんさんのギフのヤナガセのカナズエンでんがな。 アカン、あの角のとこに我輩のヨメはんが友達と来たんのが見えましたがな。 話を戻しまっさ。 アーリヤのヒトって国は征服したけど、宗教は地場の神さんに征服されたてしもたんやね。そんでね、その頃からバラモン教やのうてヒンズー教って呼ばれるようになったんですわ。 紀元400年ころやろか、グプタ朝の王さんたちがヒンズー教を援助しはってな、ようけお金を寄付したさかいな、ヒンズー教がワーッて広まったんですわ。 でね、ヒンズー教にはキリストさんとか、モハメッドさんとか、お釈迦さんみたいな創業者がおりませんのや。 そんで聖書もコーランもお経もおませんのや。 さっきゆうたヴェーダちゅうもんがあるんやけどな、今のヒンズー教とは全く関係おませんのや。 そんでな、ヒンズー教のヒトたちな、なんか難しいこと言うヒトもおるし、おチンチンを祀るヒトもおるし、それね、リンガって言うんですわ。リンガでっせ。覚えといてくださいな。 そんでな、酒飲んだらアカンゆうヒトもおるし、逆にお酒飲め飲め飲めちゅうウタゲもあったそうですわ。 そしてね、ガンジーさんが言うとった殺したらアカンちゅうアヒンサーがあるかと思ったら、首からドクロ下げていつもイケニエを求める女の神さんもおりますのや。何でもありでっせ。いろんな神さんを取り入れてきたからでっせ。そんでさっきのヴェーダの次にな、プラーナいう物語見たいなモンがようけ作られてな、シヴァさんやヴィシュヌさんがどうしたって書かれておるんでっせ。 これって日本と同じやってオトンが言ってましたで、日本でもな、キキちゅう神話があるそうでんな。へぇー、コジキ、ニホンショキやからキキちゅうんでっか。 今やったら日本は経済と政治が危ないからセイケイ・キキでんな。 えっ、余分なこと言うなってですか?すんません。(アカン、また謝ってもた) そのキキな、神さんがどうやって日本を作らはって、その神さんがどうやってテンノーさんになって、そしていろんな国をやっつけてきたか、国を治めて来たかちゅうことが書いてあるそうでんな。 そんで最初の何人かのテンノーさんは実際におらへんかったそうそうやね。 ツジツマを合わせるためにつくられたそうでんな。 そんで神さんがな、国を作らなアカンゆうて、オトコとオナゴの神さんがアメノヌボコで海かき混ぜたら島が出来たんやて。(あれっ、これってヒンズー教の乳海攪拌と一緒やな、全く。乳海攪拌ゆうてもおっさんは分からへんやろうから説明するのは、あとにしとこ) そんでリンガみたいな柱な、アメノミハシラと言うんでっか、それをオトコとオナゴの神さんが回って手を繋いだんやて、そしたらな、一回目はな、オナゴの神さんが先に声を出さはったんやて、その時に何て言ったんかは知らんけどね。 そんでうまいこと国が出来んかったんやて、そんで今度はな、反対回りしてな、また手を繋いだんやて、そして男の神さんが先に声出したんやて、何て言ったんかは吾輩は知りませんがね。 何か明るい感じでエエね、日本のキキは。そんでアワジシマができたんやて。 アワジシマゆうたら渡哲也やがな、阿久悠でんがな、我輩なファンでんねん。 それに海原千里万理、妹の方な今の上沼恵美子でんがな。 ようしゃべりまんな、あのヒト。 大阪城と通天閣は自分のモンやって言うてまっせ。(アカン、また話がそれてもた。) そんでな、このキキちゅうお話な、次々と日本の国が出来て行ったんやて。 そやけどその時なオトンがマグワイって言っとったけど何のことやろね。 オトン教えてくれへんかったわ。あんさん、知ってまっか、えっ、知らんでエエってですか。まあエエわ、そんでな、そのころは神さんが空の上に住んでましてな、そのうちある神さんが地球に行きたいゆうたんやて、テンソン・コーリンやがな。 これな、まるでアムルタを天界で獲って戻るときにヴィシュヌさんと戦ったガルーダさんの話見たいやな。分かりまっか?分からへんてか? まあよろしおま。あと知ってまっか? ヤタガラスや、オオクニヌシや、イナバのシロウサギや、三種のジンギや言うて、キキって大スペクタクル・アドベンチャー&ロマン&サスペンス&コメディでんなあ。 スピルバーグさんと映画作ったら世界中できっと売れまっせ。 大もうけ出来まっせ。えっ、もうそれをもとに作ったってですか、ホーン。 何ですか?日本のキキの話はもうエエってですか? そんでお前はシヴァとヴィシュヌとどっちの神さんが好きやってですか? あんさん、それな、グモンでっせ。我輩な、こうみえてもな、シヴァさんファミリーの一員の子孫でんがな。 我輩な、シヴァさんに仕える一族のマツエイなんでっせ。 シヴァさんのブロマイドには我輩の先祖さんが必ず横にいてはるんですわ。 えっ、そんなに、ムキになるなってですか? ならんでかいな。乳海攪拌って知ってまっか?そんなの知らんてですか? バンコクの空港に飾ってあるそうやないですか? 我輩の先祖の最初の牛はそこから生まれたんですわ。 でもな、この話おかしいんでっせ。 シヴァさんのライバルのヴィシュヌさんの物語やのに、我輩らの先祖の始まりが出てくるんでっせ。何でもありでんな、まったく。 まあ、その話はな、山をスリコギにして海をこねて色んなものが出て来たっちゅう訳でんがな。 なんと、最初に出て来たんが牛、我輩たちの先祖さんやね。 これメス牛でんがな、そのメス牛さんとある仙人さんの間に出来たオス牛がシヴァさんの乗ってはるナンディンでんがな。 バンコクちゅうたらな、あんさん知ってまっか、タイは仏教の国や言いますけどな、タイの王様さんはな、ヒンズー教でんねん。大体名前がラーマて言いますやろ。 そやさい王宮のカザリなヒンズー教のモンばっかでっしゃろ。 仏教は平等でっしゃろ、そうしたら王様さんはショミンと同じになってしまいまんがな。 今度タイに行ったら、王宮をよう見て下さいな、ヒンズー教のモンばっかでっせ。 アカン、また話が飛んでもた。 シヴァさんな、インドの南の方で人気ある神さんですわ。 南インドな、女の神さんが多かったんでっせ。 そんでバラモンのヒトたちな、みんなシヴァさんのヨメはんやちゅうことにしてもうたんですがな。 そんで、あれですがな、あれ、ほれ、『踊るはマハラジャ』って映画知ってまっか? 話が飛んでるってですか? すんまへん、我輩な、この後にワイン・ハーフの会の寄り合いがありまんねん。 我輩は副会長ですやろ、それに今日はどうしても行かなあかん用事がありまんのや。 ほんでね、『踊るマハラジャ』でんがな、インドの有名な映画でんがな。 日本では『踊る警官』ちゅう漫画ありましたな。(また関係ないこことをいうてもた) そんでな、『踊る神さん』ゆうたらな、シヴァさんのことでんがな、その横で伴奏してるんがナンディンでんねん。 ナンディンてシヴァさんの運転手兼ミュージシャン兼プロデュサーでんねん。 インドでよく見るシヴァ・ナタラージャちゅうブロンズ像ありますやろ、あれなコビトの悪魔を踏ん付けて踊ってるシヴァさんでっせ。 えっ、おんなじように鬼を踏みつけている仏像が日本にもあるってですか?ホーン。 それにシヴァさんゆうたら破壊の神さんでっせ。 […]

シンゴ旅日記インド編(82)我輩は牛でんねん 方言の巻

我輩は牛でんねん 方言の巻 (2010年9月記) 誰でっか、我輩を呼ぶんわ。 あれっ、ギフのオッサンやないですか? 珍しいでんな、そっちから声掛けてくるやなんで。 ほんじゃ、『やっとかめや、なも』。 えっ、恥かしいから、ギフ弁で言うなって。そやけど長いことお会いしませんでしたな。 えっ、あっちゃこっちゃへ出張で行ってましたんかいな。 どこへ行きましたん?ベンガルール、チェンナイ、コルコタですって。 何やそれを言うならバンガロール、マドラス、カルカッタでんがな。 どこもかしこも、町の名前を勝手に変えてしもて。 いやいや、我輩の承認は要りませんけどね。 我輩、よう分からんのですわ。 例えばな、ムンバイゆうたら、昔のボンベイやがな、ボンベイのまんまでエエがな。 歴史ある名前やないか。 あれっ、あんさん、何か勘違いしてませんか?ポンペイと。 それイタリアのナボリの近くにあった町やがな。 火山の灰で埋もれてもた町やがな。世界遺産なんやで。 そんでもな、インドのボンベイの名前な、まだ今でも使われてまっせ。 昔の名前で出ています、ちゅうやつでんな。 ボンベイ証券取引所、BSEでっせ。 有名な株式指数はSENSEX30でっせ。 あんさん、なんか変なこと考えたんとちがいまっか、一瞬目つきが変わりましたで。 そしてボリウッドでんがな。 ムンバイやったらほんまは『ムリウッド』でんがな、けど、そりゃ、無理ウッド。 えっ、分からんてですか、このシャレ。すんません。 そんで、あんさん、どないしたんでっか、何か言いたそうやないですか。 言いなはれ、言いなはれ。イワンの馬鹿なんちゃって(しもた、古いシャレ言ってしもた。)。 何ですって、行った場所、場所で言葉と文字が全部違ったて、ちゅうんですか? そうでんがな、バンガロールはカンダナ語やし、マドラスはタミール語やし、カルカッタはベンガル語でんがな。 それがどないか、しはりましたか? えっ、夕食を済ませて、ホテルへ戻って、すること無いもんで、テレビを見とったら、その地方の文字と言葉で喋っとるようやったんで、びっくりしたってですか? 新聞も、その土地の文字で書いてあるようやったってですか? あんさん、そりゃ、そうでんがな、当たり前だの何とかでんがな。これ何ですかって? 当たり前だのって、知りませんか。 昔、流行ったそうでんがな。マコト・フジタ、ミノル・シラキそれにウタコ&ケイスケでんがな。イチローさんもいましたな。 マリナーズのかって?ちゃいまんがな、そんな時にスズキさんまだ生まれていませんがな。ザイズさんでんがな。『~してチョウダイ』でんがな。 これらな、みんなコーべのイトコが教えてくれましてねん。 どうやって教えてくれたってですか? そりゃ、ITB、インターナショナル・テレバシー・バンドちゅうやつですわ。 あのな、神さんのな、衛星のな、、おっと、アカン、アカン、もうちょっとで、神さんに怒られるとこやった。 あんさん、聞かんかったことにしといてや。 絶対やで。指切りやで、指切りゆうても我輩の場合はヒズメ切りやけどね。 そんでな、この国ではな、国というか、州ごとにな、文字と言葉があるんでっせ。 そんで、そのお国ごとにTVでも新聞でも使う言葉が違うんですわ。 日本でもそうとちゃうんでっか? 我輩のオトンはコーべでカンサイやろ、あんさんの田舎のヒダはナゴヤ地方やろ、そんでナンブはトーホクやろ。 そんで、それぞれの言葉でニュースを言い、新聞に書くんでっしゃろ? そやそや、地方の言葉ちゅうたらな、この前なワギュウ・ハーフの会でな、わてな、こう見えても、副会長でんねん。 前に聞いたってでっか? 会長は誰やってるか知ってまっか?マツサカのニイサンでんねん。 ニイサンとこが何でも我輩らのタネモトらしいですわ。 そんでな、ハーフの会でな、ナンブの奴がな、自分のことをオトンの田舎の言葉では『オラ』ちゅうと言ってまんのや。 おもろかったでっせ。オラ、オラでっせ。なんやそれ。 玉蹴りの応援か。(あれはオレオレか、ちゃう、それは詐欺やな。よう分からんわ。) そんでな、みんなでな、自分のな、オトンの産まれた田舎の言葉で話そうやないかってことになりましてな。 トーキョーのな、アナウンサーさんが言ったことをな、みんなのオトンの国の言葉でどない言うかってことになったんですわ。 アナウンサーさんが、『ただ今、ニュースが入りました。今朝、富士山が400年ぶりに噴火しました。その火山灰が1500m上空まで舞い上がりました。しかし、飛行機の運行には影響していません。亡くなった方もなく、近くの人はみな非難して無事でした。』って言ったちゅう寸法ですわ。 そんでな、エヘン、副会長やろ、我輩。 そやから、一番先に話なさなあかんやろ。よってにな、オトンから聞いとった同じコーべ出身のな、ヨドガワさんの口調で言うたんや。 『ハイ、みなさん、大変ですねぇ。大変ですねぇ。富士山が火を噴いたんですねぇ。400年ぶりですねぇ。まぁ、恐ろしいですねぇ、怖いですねぇ。火のハイが舞い上がったんですよ。1500mですよ。高いですねぇ。本当に高いところですねぇ。ハイ、タワーリン グ・インフェルノですねぇ。飛行機には影響がありましせんでした。ハイ、大空港です。エアポート75です。77も80もありましたねぇ。でも、お亡くなりになった方ありませんよ。奇跡ですねぇ。奇跡の人ですねぇ。ハイ、ヘレン・ケラーですねぇ。アニー・サリバンですねぇ。1959年と言えば昭和34年ですよ。知ってはりますか?その奇跡の人の舞台で誰が主人公をしたか。ハイ、実はあのパティ・デュークなんですねぇ。日本でもテレビで人気ありましたねぇ。パティ・デューク・ショー。ご存知ですね。あのお転婆娘ですねぇ。1962年のアカデミー賞ではサリバン役のアン・バンクロフトが女優主演賞、ヘレン・ケラー役のパティが女優助演賞を取りましたね。ハイ、良かったですねぇ。良かったですねぇ。それから17年後の1979年のリメーク版ではパティはサリバン役で出ていましたねぇ。時代はメ グルですねぇ。そうそう、富士山の噴火でしたねぇ。近くのみなさんはね、大脱走したんですよ、逃亡者ですねぇ。ハイ、デビット・ジャンセンです。さびしい顔、してましたねぇ。追われる人の表情、うまく出していましたねぇ。しびれますねぇ。1993年のリメークではハリソン・フォードが主演していましたねぇ。ちょっと雰囲気が違いましたねぇ。この逃亡者のドラマの最後がどうなるか、それはみなさん、映画を観てのお楽しみですよ。ハイ、それでは、サイナラ、サイナラ、サイナラ』ってね。 しかしな、これな、あんまり受けませんでしたわ。 長すぎたんですわ。それに我輩の仲間な、ヨドガワさんを知りませんねん。 けどな、これな、オトンには受けたんでっせ。『映画って本当にいいもんですね』ってバージョンもありまんねん。 えっ、エエ画の話は、もう、エエってですか? そんでな、次にな、ヒダの奴がな、ギフ弁ちゅうか、ナゴヤ弁で言うたんでっせ。 あの口下手のヒダがでっせ。 『おミャーさんた、ドエリャアことがおきたでナモ。オソギャーで、イカンわ。冨士山がヨー、ケサヨー、ヒィー吹いてヨー、飛行機にはヨー、エーキ ョ―がニャーと言っとらっせるでナモ。死んでまった人はヨー、おらんでナモ。みんな逃げんさったでナモ。そんで、次のキャーのニュースも見てチョーよ。えっ、ワテかね?ミナミだがね。トシアキだがね。テイキ ョ―は「エビ・フリャ-もあるでヨー」のアツタ食品だがね。トロイこと言っとったらアカンでね。』 これね、ちょっと受けたんですよ。でもね、ナンブの奴が、よう分からん言うんですよ。 それでね、ナンブの番になってね。あいつがね、こう言うたんですわ。 『オバンでガス。オラ、オッタマゲターでガス。スンズリ・カエッタース。スズサンがスンカスナスったダト。ヘーッコがスラにあがったんダドモ、へコーキはモンダーナーでガス。スンだシトさ、イネーでガス。にげたシトさ、ばっかダー。ダバ、ヌースみてケロや。』と言ったんですよ。 メチャ受けでんがな。 みんなが何のことか理解できんゆうてね。 どこの国の言葉だって。我輩ら2世やから、お互いにオカンの国のことばで理解し合えまんのやけど、ナンブのオトンの国の言葉はよくワカンネーナ。 あれっ、ナンブの言葉がうつってしまいましたがな。 そんでね、いつもはその会に参加してもね、隅におるサツマの奴にね、オトンの国の言葉では、どう言うかって聞いたんですわ。そしたらね、あいつのオトンの国ではオスはあんまりじゃべらん、と言いますのや。 エエから言ってみぃ、ちゅうたらね。 『オイドンは、びっくりしたでゴワス。富士サンが、火ば吹いチョルとモースとでゴワス。桜島と同じでゴワス。空とぶ黒船は問題ナカ。タミも問題ナカ。西郷ドンば殺した維新は間違っとるでゴワス。』って何か意味のよう分からんこと言うんですわ。 おもろい奴でっしゃろ。 でね、その時ね、トーキョーに行ったことがあるちゅう奴がいましてね。 シンシュウ出身のモトチジオって言いまんのや、そいつ。 トウキョウでは『ひ』と『し』が入れ替わるちゅうんですわ。 『火の用心』を『シのヨウジン』て言うんですって。 そんで『火の後始末』は『シのアトヒマツ』って言うんですって。 あれっ、ヒマツといえば我輩の『飛沫』があんさんの足にかかりましたか? 我輩な、分からんようにしたつもりやけど。最近な、緩んでまんのや。 ちょっと年やさかい。カンニンやで。 我輩らもな、友達と会うとな『ケツアツ』やとか、『トウニゥウ』やとか、『ニゥウサン』やって言うてな、会話が始まりますんでっせ。 あんさんの同窓会も同じやってですか。 えっ、『ケツアツ』が牛にもあるのかって? 『穴(ケツ)圧』でっせ。 わてら牛はケツ圧が大事でんねん。食事の場所取るにも、フンギリするにもケツ圧が必要やがな。 お尻フリフリちゅうやつでんがな。 『糖尿』?違いまんがな。『ニョウ』やのうて『ニュウ』でんがな、『糖乳』でんがな。 メスさんたちな、乳の中なの糖分を気にしてまんのや。 高う売れるかどうか糖乳値によって決まるさかいな。 イマドキのな、若いもんな、ダイエットやゆうで、あんまり糖分を採らんのでっせ。 何考えてるかよう分からんわ。 えっ、日本でも喫茶店で出る砂糖は2gか4g入りですって? インドはまだ8gが主体なんとちゃいまっか、砂糖な、生産国はブラジル、インド、中国、タイの順でっせ。 ブラジルは中国の3倍、インドは同じく2倍ありまんのや。 そんで消費国はな、インド、中国、ブラジルですねん。 インドな、減産してもうて輸入国になってまんのや。 これから砂糖も世界の商売になりまっせ。 食いモンが商売になりまっせ。そんなら『ニュウサン』は『乳酸』か一杯に2袋て? 近う、おま。でも違いまんねん、『乳三』でんな。 […]

シンゴ旅日記インド編(81)我輩は牛でんねん 三位一体の巻

我輩は牛でんねん 三位一体の巻(2010年9月記) 今日は日曜日やけど、『ギフのオッサン』の匂いが、まだせえへんなあ。 きっと、どっかへ仕事で出かけてはるんやろか。 でもな、日本ちゅう国いうたら考えてみたら不思議な国やな。 言葉は一つやけど、文字が三つもあるやないか。 カンジやろ、ヒラ・ガナやろ、それにカタ・カナや。 ひとつの言葉で三つの文字を使う国って世界にあるんかいな。 それもやで、ヒラ・ガナとカタ・カナはカンジから生まれたちゅうやないか。 不思議な話やな、例えば、オトンがカンジなら我輩と弟がヒラ・ガナとカタ・カナちゅうわけやな。 そしたらオカンはなんや、カンジやのうてイクジか? グフッ、あかん、自分でシャレゆうて自分で笑うてもた。 オトン言うたらな、日本の言葉のことをよう知っとるで。 当たり前か、日本生まれやもんな、それもメイジ生まれやで。 ブンメイ・カイカやフコク・セイメイ、ちゃうわ、シバタ・キョウヘイ、これもちゃうわ、そうやフコク・キョウヘイやった。 そんで英語も中国語も韓国語も少しづつやけどできるんやて、コーベちゅう街はいろんな国のヒトがおるんで知らんうちに覚えたとゆうとったわ。 そんで英語も中国語も一つの言葉で一つの文字やねんて。 韓国語はな、昔は漢字とハングルを一緒に使っとった時があったけどな、今はハングルに統一されたちゅうとったな。 よそさんの国のヒトから見たら、日本の三つの文字をな、どうやって使い分けるのか不思議でたまらんやろな。 どうゆう時がヒラ・ガナで、どうゆう時がカタ・カナでとか、きっとその時のカンジで使うんやろか。 あかん、これもひとりでにシャレになっとるわ。 そういえばオトンが言うとったな、カタ・カナは、坊さんがお経を読むときに解りやすいようにカンジの一部分を取り出しでつくたんや。 ヒラ・ガナは、マンヨウ・カナゆうてな、歌を詠むときに出来たんやて。その頃のオバサン作家さんらが使って日記とかを書いとったって。 そやそや、オトンがこの前、ヒラとカタのな、元となる漢字を教えてくれたわ。 例えば最初の『あいうえお』は『安以宇衣於』、『アイウエオ』は『阿伊宇江於』から取ったってゆうで。あれっ、ヒラとカタで元のカンジが違うやないか。 そやけど、ヒラとカタがどんなカンジから出来たって日本のヒトはみんな知ってはるのやろか? あのギフのオッサンは、知らんできっと。 今度聞いたろ。今では『あいうえお』っていうけど、昔は『いろはにおへど、、、』ゆうて、なんでも『色は匂へど、、、』と詩にして詠んで覚えたそうやな。風流なもんやな、日本人て。 でもな、オカンも言うとったでイギリスにも同じようにABCの全部入った詩があるゆうて。 確か『A QUICK BROWN FOX JUMPS OVER THE LAZY DOG』ゆうとったかな。 なんでオカンは英語知っとるのやろ、オトンと付き合う前のステディがイングリッシュ・スピーキング・カントリーやったのやろか? そしたら、我輩のファーザーになるポシビリティのあったパーソン、いやブルやったかもしれんな。 そやけど、どこの国も、おもろいこと考えるんもんやな。 そんでも日本てな、世界に文字を持たん国があるのに、よう三つの文字を持っとるわな。 これって日本人のもつギジュツのシンズイやろか、他人からのモンを自分のモンにして行くちゅう。 それもな、元のモンよりエエモンにしていくちゅうんは、日本人のランプ、ちゃう、デントウやな。 なんか今日も単語がスッキリ出てこーへんな。年やろか。 でもランプとデントウって、これ受けんかなあ、あかんかなあ、インドは停電多いさかいにデントウゆうてもパッっとせえへんかなあ。 でもええわ、今度ワイン・ハーフの会でいっぺん使ってみたろ。 ギジュツいうたらな、タネガシマに流れ着いたポルトガル人が持っとった鉄砲をその数年後にはポルトガルよりもセイミツに大量生産しとったちゅうもんな。 オトンの生まれたメイジのブンメイ・カイカ、アメリカやヨーロッパからのギジュツ・ドウニュウも同じことやろうな。 カンジ、カタ・カナ、ヒラ・ガナ、これは三位一体やな。 そんでオトンなカンジにも書き方が色々あるって言うとったわ。 カンジは本家の中国ではカイショ、やギョウショやソーショやいろんな書き方があんのに、日本に来てからカブキや、ヨセや、スモウや、チョウチンや、カゴや、ヒゲや、カクやゆうて書き方を変えて行ったそうや。 これも日本のギジュツ・カイリョウやろうな。 機械でゆうたら、CDラジカセやな、 CDとラジオとカセットちゅう別々のモンの三位一体やがな。 しかし、CDゆうたらレコードとそっくりやのに、なんで針が要らへんのやろ。 あんなにちいそうてな、30cmのレコードよりも、ようさん歌が聞けるそうやないか、不思議やなあ。 そやオトンから聞いた日本の家も考えてみれば三位一体や、ツチノマとイタノマとタタミノマや。 ジョウモンとカマクラとムロマチが家の中で一体になっとるわ。 三つの間でサンノマか、何か、聞いたことあるな、サンノマ、何か、コーベと関係あるんか、サンノマ、そうや、サンノミヤやがな。 我輩、ボケとツッコミを一人でやっとるがな。 これで笑う客をやったら、お笑いの三位一体やな。 そやそや、一人でやるゆうたらな、聞いたことあるで、日本のバスの運転手な、運転して、案内して、切符を切って、一人で3人分の仕事するんやて。 なんかこれも三位一体やろか。 空港のターミナル・バスの運転手さんなんかな、手荷物も手伝って出し入れしてくれるらしいで。 運転手さん3人分の給料をもらうんやろか? それに日本人の宗教や、正月はお宮参りや、結婚はキリストさんや、そんで死んだらお寺さんやて。これも日本の宗教の三位一体や。 オトンがいうとったで、家のなかに神棚と仏壇があってな、その前でクリスマスケーキ食べとるちゅう話やて。 ヨソの国のヒトがそれ見たらどない思うんやろ。 やけど、日本のヒトって、どうやって神さんを使い分けとるんやろ。 カンジ、ヒラ・ガナ、カタ・カナと同じようなもんなんやろか。 神さんたちも大変やで、いつ自分の出番があるか準備しとらなアカンがな。 もしな、ちょっとおっちょこちょいのお釈迦さんがおってな、寝坊してな、あかん、出番や、それって出て行ったらみんなでケーキ食べとるとこやったりして。 そんで、今の三位一体ゆうたらパソコンやがな、計算だけやのうてメールも打てるしテレビも見えるし、DVDで映画も見えるし、音楽も聴けるちゅうし。 どうなるんやパソコンの将来は。 そやそや、パソコンゆうたら日本語の3つの文字をパソコンで表すんは難しい技術やったそうやな。 けどな、それを出来るようにしたんのは日本人技師やちゅう話やな。 それが出来たんで中国語もパソコン化が出来るようになったんやな。 中国のヒトは日本のヒトに感謝せなあかんがな。 すごいギジュツを持っとる国、日本やな。 今度、ギフのオッサンにおうたら尊敬せなアカンな。 でもあのオッサンはパソコンは文章しか打てません、エクセルは難しゅうおす、パワーポイント、ビジオはお手上げでちゅう顔してはるな。 とても日本を代表するようなギジュツを持っとるように思えんけどな。 あれっ、オッサンがいますがな。 あんなとこで立ってオートを待ってまんがな。 ちょっと行ってからかってこ。オッサン、オッサン。今日もスーパーで買い物でっか。 今日は何を買いはったんでっか?ラーメン? 何ですのそれ。メンやて。オンはどうしはりました? シャレかそれはってですか? そうです。シャレです。(いちいちシャレか、そうやないか言わなアカンのかいな。) そんで、ラーメンがどないしはりましたん? えっ、日本から持って来たインスタント・ラーメンが切れたんで、買いに来たってですか? それでありましたんかいな? あったけど、日本で食べとったモンはなかってですか、ニッシンのベジとノンベジがあったのでそれを買ったんですって。 そのほかにも韓国のラーメンやうどん、タイや中国のメン類があったってですか? あんさんな、どんなラーメンが好きなんですか。 ミソ・ラーメン、ショウユ・ラーメンにモヤシ・ラーメンですって。 それって材料は何ですの? 全部大豆やて、そうしたらラーメンの三味一体でんな。 えっ、他にもマーボー・トーフ・ラーメンが好きやってですか。 そして、それも大豆が原料やってですか? そしたらラーメンの四味一体ですわな。 (なんか、落語のオチみたいやな、まんじゅうこわいみたいやわ。 けどもやな、何でインドにラーメンがないんやろか? こんなけ、小麦もお米も取れる国やのに。なぜかラーメンでは中国に負けまんがな。 うどんでは日本に負けまんがな。スパゲッティではあのイタリアに負けまんがな、 まあ、ええわ、我輩は時間あるよってにゆっくりと考えたろ。) 丹羽慎吾

シンゴ旅日記インド編(74)我輩は牛でんねんの巻初めまして(下)

話それましたな、インドと日本の関係でんがな。 戦争が終わってな、最初のインドの首相になりったネルーさんが日本に象さんを贈ったんですわ。 なんで我輩らを贈らへんかったんやろな。 1949年でっせ。あんさんまだ生まれてませんか、その頃? 日本がサンフランシスコ条約で独り立ちする3年前でっせ。 その象さんの名前知ってますか。インデラちゅうんですわ。 ネルーさんの娘さんの名前ですわ。その娘さんね、後でガンジーって苗字になるんですわ。なぜか知ってはりますか? ガンジーさんの隠し子ちがいまっせ。不謹慎やな我輩の発言。 まあ、その訳はちょっとややこしいんで省略しますわ。 そのインデラ・ガンジーさんはお父さんのネルーさんの後をついでインドの首相になりはるんですよ。 でもな、ガンジーさんもインデラさんも暗殺されてしまいよるんですわ。 この辺もまたややこしいさかい省略しますわ。 そんでな、インドと日本が仲が良かったんわその頃までですのや。 その後は日本はアメリカの仲間になって、お金儲けにまっしぐらになったり、 インドがアメリカの敵さんのソ連の仲間になってしもて、社会主義にはまって、貧しさをみんなで分け合ったりして。そんで中国に追いつけちゅうて核実験したりしたんですわ。 そんでもって日本との仲がさらに離れていったんですわ。あんさん、聞いとります か?あんまり、歴史に興味がないんでっか? 道端で寝てるヒトの方に興味があるんでっか。 寝てるヒトは撮らんといてね。それはジンギちゅうもんでしゃろ。 えっ、どうしても撮りたい。しょうがおませんな。 そんならあの角で座ってひげ剃ってるちゅうのはどうでっか。 あれっ、もうカメラ向けてまんな。一回5ルピーですねんよ、あんさん剃ってもらったらどないです。いつ床屋さんに行ったんでっか? えっ、この屋台の軒にぶら下がっているのは何ですかって? あんさん、変なとこばっか見て、変なもんばっか気が付かはるね。 これはね『7  チリー  1ライム』って言いまんねん。 悪霊払いちゅうか、ドラキュラとニンニクの関係ちゅうか、まあいろんなところにぶら下げるんですわ。 車にも付いてますやろ。毎週土曜日に道端で売ってますんや。 日本でも年の初めに車にライムの代わりにミカン付けて走るそうですな。 それってインドから来た風習ちゃいまっか?それと似たようなもんちゃいまっか。 そういえば日本では2月か3月に小さいお魚の頭だけつけて玄関に飾る祭りがあるそうですな? 豆をまくんですって、もったいないですな。 畑にまかんと家の中や、庭に放るんですって。悪魔が来んようにですって。 家のなかで芽えーでるんかいな? えっ、我輩の話を聞いとったらお腹が空いたんですってか? なんかファーストフードはないかってですか? ありまんがな、マックが。KFCが。どんなハンバーグ出しとるかってですか? そんなん、我輩がお店の近くまで連れて行って上げるさかい、あんさん、中に入って自分の目で見てみなはれ。 ここでんがな。えっ、マックにも、KFCにもベジとノンベジがあるのかってでっか? ありまっせ。窓の写真の看板をよーく見てみなはれ。 旗のマークの緑色がベジで、赤色がノン・ベジでっせ。 包む袋やポテトチックの入れもんや、コークちゅうんですかあの黒ろーて匂いのする水の入っている缶にもそのマークが付いるそうでっせ。 飲み物いうたらコーヒー頼むとき気を付けないかんらしいですわ。 この国ではBlackかwith  Milkははっきり言わんといかんのですわ。 言わんとミルクが入ってきますで。 また砂糖の袋が大きいようですなあ。日本では2gとは3gがあるようですな。 ここでは8gか10gでっせ。それも二袋付けてくれまっせ。 この前聞いた話では日本のヒトが二人でひとつの砂糖の袋を分け合って入れていたらしいですわ。 まだもったいないの精神が残ってるんですな。 えっ、ビーフバーガーはないのかって、あんさん、恐ろしいこと言い出しはりますな。そんなんあったら店を壊されまんがな。 ほんまでっせ、マックがインドにきたころに壊された店ありまんのやで、昔。 ノン・ベジゆうてもチキンかフィッシュでっせ。 マックで一番ごっついのんがマハラジャちゅうやつですわ。 けど、KFCさんはよろしいな。チキンだけやよってに。 あんさん、お店の中が見えまっか? ぎょうさん若い人が入っとりますやろ。街では並んで歩くとこあんまり見んカップルもおりますやろ。 きょうびの若いもんはこんなん食べてまんのや。あかんで、インド人にはインド人のファーストフードちゅうもんがあるやないか。何ですかって? ドーサやがな。こんな安すーて栄養のあるもんあるのにそれを差し置いてバーガーやて。バーカーじゃないの。あかん、ヨシモトが出てもた。 えっ、ヨシノヤはないのかって。何ですそれ? えっ、ギュウドン?それって我輩ら牛の肉でっか、ビーフでっか? えっ、マツヤの方が美味しいですってか? あんさん、何回言ったら分かってもらえるんやろ。ここはインドでっせ。ヒンズー教の国でっせ。牛の肉たべんヒトがようけおる国でっせ。ヨシノヤやマツヤみたいなもんがあったら、我輩ら道で寝てることできませんがな。 ヨシノヤさんにゆうといて、ここではちょっと商売できませんよって。 けどな、内緒やけどな、バンガロール産のビーフは美味いちゅう噂でっせ。 この街にもあるんやろか、そのバンガロールのもん食わせるところが。ちょっと 仲間に聞いときますわ。 あかん、マックやKFCの前へ来たら、我輩もお腹空いてもうたわ。 あんさん、もうええから、マックに入んなはれ。そんでもってお腹一杯になったら、写真撮るのもええけど、インドのこともっと勉強しなはれ。 そんじゃ、我輩も食事に行きますわ。 じゃ、今日はここで、サイナラしますよって。また今度、町で会うたら、一緒にお話しましょな。えっ、我輩が一方的にしゃべっとるだけやないかって。すんませんな、モウ。

シンゴ旅日記インド編(その57)寅さん インド単身赴任の巻

いえね、今度、日本に帰りましたら、贅沢は申しません。 うっすらと醤油をかけて、カラカラと掻き回した生卵を、熱~い、白~いご飯の上に乗っけましてね、そして、混ぜて食べることができれば、それだけでよろしんでございます。 でも、ちょっとだけ、贅沢を言わせていただけますとね、あとお皿が二つありましてね、右に焼いた塩シャケ、左にバリバリの焼き海苔があれば申し分ありません。 そうそう、あれでござんすね、奈良漬が二切れ、いや三切れ、大根おろし、納豆、ついでにこんがり焼いたタラコなんぞがあればそれ以上贅沢は申しません。あっ、お味噌汁なんかも豆腐とワカメもよろしいんでござんですが、シジミ汁なんかであっても構いませんよ。 夜になりますと熱い風呂に肩までつかって『ごくらく、ごくらく』と言えればそれだけでよろしいんでございますよ。 『おとこごころ~におとこ~がほれえて~』なんて歌えれば本当に極楽でございますね。 出来ましたら、それが海の見える岩風呂とか、夜空に天の川が見える露天風呂であれば申し分ございません。 西洋式のシャワーって言うのは、あっしにゃ合いませんね。 アレですとね、シャンプーを頭にブチュとつけましてね、頭で泡をこしらえて、その泡を脇や腕に持って行って、なすりつけ、それにちょっと下がってけっこう毛だらけに塗りたくって、そんでもって次にその泡を体中につけて水で流すだけっていう手順になるんでございますよね。 石鹸なんぞがつい要らなくなるんでございますよ。 あれは体を洗った気がしないんでございます。やはり、風呂桶に腰掛けてタオルに石鹸をつけて体をゴシゴシと洗わないとお風呂に入った気がしやせんね。 そんでもって、風呂から上って、浴衣に着替えて部屋に戻りますと、女の人が座卓の上に丁度料理を並べていたりしましてね。『あら、もう出ていらしたんですか。まだお料理の支度ができていないんですよ。でも、風呂上りに冷たいビールでもいかがですか』とか何かと言いましてね。冷蔵庫から一本ビールを持って来てくれるんですよ。そして私にコップを持たせて注いでくれようとするんで、あっしが『おねぇさん、そいつぁ、いけねぇ、あっしゃ、いつも手酌ですから、気を遣わないでおくんなさい』なんて断りますとね『イイじゃありませんか、なんですの、私のお酌じゃご不満なの、さぁ、どうぞ』ってチラッとこっちを見る目がいたずらそうに笑ったりなんてしましてね。『そうですかい、そいじゃ、一杯だけ』ってコップに冷えたビールをついで貰い、グィーと一気に飲み乾しますとね『あら、旦那、粋な飲みっぷりだわ』なんて言うもんですからね、あっしもここで『そいじゃ、おねぇさんも、一杯どうだい』なんて言いますとね、『いけません、私は、、、そうですか、でも一杯だけなら』なんてことになりましてね。一杯が、二杯、二杯が三杯となったりして、良い気分になるんでございますよ。 お酒のつまみですかい、贅沢は申しません、塩辛と、そして刺身が二切れもあれがそれでようござんす。まぁ、ちょっと言わせてもらえば、それに山菜の煮付けなんぞがあればよろしんです。そうそう、その横に小さなコンロがあって、下に丸い石鹸みたいなロウソクが入ってましてね、上に鍋が載ってまして、フタを開けて中をのぞくとフグか何かが野菜と一緒に入ってたりしましてね。そしてビールがいつの間にか熱燗に変わってまして、そんな頃にチリトテチンとかいって三味線の音なんかが聞こえて来るんでございます。そして外ではサラサラと水の流れる音がしたりしましてね。時々コーンとなったりするんですよ。 そんで眠くなってきて、畳の上で綿の入った布団にくるまって眠ることが出来ればそれでいいんでございます。年中、ベッドで布団なしの生活なもんですからね。こっちではね、たまに寒い朝もあるんですがね、そんな時は厚手のシーツで我慢しておりやす。はい。 そして、朝方の少-し暗い頃に、鶏の声を聞いて目が覚めればいいんです。あの犬の吠え合いや、鶏でなくてハトのクークー言う鳴き声はいけません。それにあれ、何て言うんですか、お経みたいな、民謡みたいな、イスラム教の歌、そうそう、コーランなんぞで目が覚めちゃいけませんね。こちとら、帝釈天の生まれ、育ちでございましょ、御前様に申し訳ないような気がするんでございますよ。やはり、源公の野郎が打つ鐘の音で目を覚ましとうございやすね。 そんでもって、さぁ、起きようかな、まだ寝ていようかなと布団にくるまってぼんやりしていますとね、遠くに汽車のボォーと遠ざかる音が聞こえたりすればようござんすね。そうです、汽笛じゃなきゃいけませんね。ディーゼルのブァーー、ゴトゴトと言う音はいけません。あれを聞くと、お腹を壊して、へェーひっているような気がしますんです。そして、まだ寝てようかなと思ってしまうんですよ。そして朝日がカーテン越しにサァーと差し込んで来て、カーテンに木の影なんぞがくっきり映っておればよろしゅうござんすね。いけませんねぇ、この南の国は、さっきまで真っ暗だったのにアッと言うまにお日様が空に上がるんでございますよ。お日様に手を合わせる時間が無いんでございます。 そして、手ぬぐいを肩に引っ掛けて、下駄を履いてカランコロンと音を立てて外に出ますとね、井戸があって、つるべでカラカラと水を汲んで、ザァーと洗面器に水を注いで、シャキっと顔を洗えればよろしいんでございます。そして部屋に戻って食卓につくと、朝飯です。贅沢は申しません。熱い、白いご飯に卵をかけて、あれっ、これってさっき言いましたっけ。 日本に帰ったらそんな宿屋に一泊3千円で泊まれればいいんでございますよ。 決して贅沢は申しません。 それにしてもやっぱり、日本の料理ってのはよろしいござんすね。なんといっても種類が多いんでございますよ。調理っていうんですかい、料理の仕方が多いんでございますよ。 寿司、天ぷら、すき焼き、刺身、うなぎの串焼き、焼き物、煮物、蒸し物、何でもございますでしょ。麺類なんぞは、ソバ、うどん、ソーメン、ニューメン、キシメン、ラーメン、スパゲッチィ、それも汁物ものからザルもの、熱いものから冷たいものまであるんでございます。 行き届いておりますね、日本の食べ物ってものは、本当に。 世界で一番種類が多いんじゃござんせんか。外人さんが日本料理を食べたいなんて申されましても、どれにするか迷ってしまうんでございますよ。 その点インド料理とか中国料理は簡単でございますね。 南か北からの違いは多少ありますが、材料とか調理の仕方がもう決まっておりますでしょ。 特にインド料理はいけません。まあ、そこそこ美味しいんではありますがね、ネタがみんな一緒でござんしょ。それに料理の仕方がフライパンや鍋で煮るだけなんですよ。出来上がった料理もどれも同じような按配で色が似ていますから、どれがどれだか分からないんでございます。 やっぱり、食べるもんは日本のものが一番でございますね。いえね、贅沢は申し上げません。