シンゴ旅日記ジャカルタ編(19) 日帰り温泉地チアテルの巻の巻
日帰り温泉地チアテルの巻 (2017年10月記) 温泉と言ってもインドネシアの温泉と日本の温泉のイメージは異なります。 日本では温泉とは海や山にある大きなお風呂や露天風呂に裸でゆったりと浸かってリラックスするものです。そして美味しい地元の料理を食べたりします。インドネシアはそうではないのです。 私の今回を含めて二度目のインドネシアの温泉での経験からすると、こちらでいう温泉は山あいの小川に温かい水が流れ、そこで足湯、腰湯をするものです。そして、温泉地には家族、友人と行き持参した料理を一緒に食べるというピクニック気分だとだと思います。 私は先月末に中部ジャワのグチの温泉地に行ってから、インドネシアの温泉地に興味を持ち、きっと他には日本のように肩まで熱い湯に浸れるところがあるのではないかと期待しました。 それで会社で部下たちにジャカルタ、チカランの近郊にそんな温泉地がないか尋ねました。 そして勧められたのがバンドン近郊のチアテルでした。 ある日曜日に日本人部下と出張者とでそのチアテルに出かけることにしました。 チアテルに行ったことのある私の運転手さんが道案内を兼ねていました。 チアテルはジャカルタからは150km、私の住むチカランからは110kmの所にあります。 ネットでチアテルの写真を見ると、立派なホテル施設あり、サバイバル遊園地あり、そして美女たちが川の周りでポーズを取っている写真が紹介されており、私は期待に胸を弾ませるばかりでした。 朝8時にチカランを出発しました。 一緒に行った二人は私がタイ、インドに駐在時に機械の製作や据付で来てくれた気の置けない若い仲間でした。チアテルに向かう車中では一緒に仕事をしたころの楽しかった思い出や、ほかの仲間の失敗談などで語り合っていきました。 チアテルはバンドンの北35kmの所にあります。 バンドンへはチカランから高速道路に入り、途中の分疑点で右(南)に向かうのですが、我々はそこを曲がらず、そのまま真っ直ぐに東に進み、スバンで高速道路を下りて田舎道に入りました。 スバンの町並みを過ぎて田舎道に入ると道路脇ではパイナップルを売る小屋が立ち並んでいました。それを過ぎるとお茶畑が続く丘陵地帯でした。 あとで知ったのですがチアテルはタンクバン・パラフ(ひっくり返された船)という標高2,076mの火山の麓に位置する温泉地なのです。 この山の由来にはインドネシア人が誰でも知っていると言う有名な昔話があります。すみません、それを知りたい方はネットで『インドネシアの民話「サンクリアン」(Sangkuriang:タンクバンプラフの起源)』で検索してみてください。ギリシャ神話かディズニー映画にも出て来るような昔話なのです。 私たちは10時半に目的地のチアテルに到着しました。車で通過するゲートでひとり32,000ルピア(270円)、車30,000ルピア(250円)の入園料を払いました。 .私たちは土産物屋さんが回りに並ぶ駐車場に車を止め、車を降りて運転手さんと一緒に遊園地に向かいました。 入口近くではガメランの生演奏とラーマヤーナに出て来る人形の歓迎を受けました。チアテルの温泉地に来たことがある運転手さんの案内で園内を歩いて行くと、ここも山から流れている熱い湯の谷川を利用した温泉地であることがわかりました。 最初にあったのが足湯でした。リュックを背負ったまま湯に足をつけるとかなり熱いお湯でした。 そして足湯を終えて、谷川に沿って坂を下っていきました。 するとネットで見た広い池があり、多くの人々が腰湯をしていました。 しかしネットの画像に写っていたような若く美しい女性たちはいませんでした。 そこで湯に浸かるのかなと思っていたら、運転手さんがまだ先がありますと言って、私たちをその先に案内してくれました。 すると、人々が浸かっていた池から流れる水が滝となり、狭い谷を流れ、その両側が休憩所になっているところに出ました。その休憩所では家族連れがピクニックよろしく食事をしていたり、上半身裸で横になって気持ちよさそうにマッサージを受けている人たちもいました。 私たちはその休憩所を一周して池に戻り、近くの更衣室の入口で2,000ルピア(17円)を払って水着に着替えてから、池に向かいリュックなどの荷物を運転手さんに預け、池の中に入っていきました。池の底は丸い石が敷き詰められていてまるで川原をはだしで歩くようで、歩きにくいものでした。 それでも、慎重に前に進み、ちょっとした滝に打たれたり、三人で腰を下ろして湯に浸かりました。 私は体全体で湯に浸かりたいと思い、倒した体を後ろ手で支えようとしたら片足が上がってしまいました。その姿勢からシンクロナイズド・スイミングみたいに両足を水面に出したポーズとなりました。 それで、他の二人にも同じようなポーズを取るように言うと二人は恥ずかしがっていましたが意を決して私の真似をしました。それを荷物の番をしていた運転手さんが写真に撮ってくれました。 池から上がり、次にはいくつもの大きな急須から流れ落ちる湯を頭から浴びるところに行きました。 そこで三人で頭から湯を浴び、急須の出口を手でふさぐと他の出口の湯の流れがどうなるかなどして遊びこれで温泉も終りかなと思っていたら、運転手さんがまだ別の温泉があると言って、今度は下りて来た坂道と別の道を登って行きました。 すると湯けむりを立てて流れ落ちる滝が見えるところに出ました。 写真に撮っても湯けむりか水煙がわからないだろうねと言いながら記念撮影を取りました。 滝の場所から少し登って行くと、洋弓射撃場、カラーボールを使った戦争ゲーム場、そして薬草の足湯かと思ったら魚が古い皮膚を食べてくれるスキンケア―の池がありました。 そして歩いていると運転手さんがここにはプールもありますと言うので、私たちはそこに行くことにしました。運転手さんはプールの外でコーヒーを飲んで待つといいました。 プールの入場料はひとり45,000ルピア(380円)でした。プールは広く、深さによって二つに仕切られていました。十分に熱かったので泳ぐことよりも、ゆっくりと浸かることにしました。 ちょっと湯の中に潜ると少し塩分が混じっているのか目を開けると刺激がありました。 水中眼鏡(古い表現ですねえ)を持ってこなかったのを後悔しました。 プールから上がると12時近くになっていました。待ち合わせした運転手さんが、ここから5km先にタングバン・パラフと言う火山があると言って携帯で写真を見せてくれました。 私たちは折角ここに来たからとその火山に行くことにし、行く途中で食事をしようと言うことになりました。チアテルを出発し急な坂道に建っている食堂で鶏、ヤギ、ウサギのサテを食べました。 食事を終えて、さらに車で走り、火山の登り口に着くとゲートがあり入山料を支払うことになりました。 いくら支払うのかと運転手さんに聞くと、窓口の人が私たちにKITAS(滞在許可証)はあるかと聞いているというのです。 滞在許可証のあるかないかで入山料が違うのです。滞在許可証がある外国人の休日料金はインドネシア人と同じ3万ルピア(250円)で、それがないと30万ルピア(2,500円)とのことでした。 そして車は35,000ルピア(290円)支払う必要がありました。 平日料金はそれぞれ20,000ルピア(167円)、200,000ルピア(1,670円)でした。 それにしても10倍とはインドネシア観光局も考えねばなりませんね。 私はインドの観光地にも同様に外国人価格があったことを思い出しました。 ゲートを過ぎ山頂に向かう山道は急で、曲がりくねり、日本のように安全対策がとられていなので下りて来る車とすれ違う時はスリルのあるものでした。山頂では執拗な土産売りの人たちと楽しく会話し、ガイド代わりに火山の説明を聞き、景色を堪能してチカランに戻りました。 何年か前までは火口まで下りて行き、足湯などが出来たそうです。現在は火口を一周するコースも歩く場所が制限されています。 丹羽慎吾