今日の散歩道(260)~フキノトウ(蕗の薹)

郷里の奈良で「アマナ」の花を見に行った時、その周辺の畦道に蕗の薹が、顔を出していました、初春にスーパーの店頭に並ぶ蕗の薹は栽培種なので香りはもう一つ。 それと比べ山野や田圃の畦道等に自生しているヤマブキ(ノブキ)は香りが高く、独特の苦みのある風味は野趣あふれる別物で、味噌汁での味わいが最高、毎年待ちかねる春先の楽しみのひとつです。 フキは日本が原産、草姿のイメージからは結びつきませんが、分類上ではなんと「キク科」の多年生植物で、雌雄異株です。 地下茎から早春に先ず花茎を伸ばすのが「蕗の薹」、その先端に散房状の頭花をつけます、写真の花の状態から判断すると、この蕗の薹は雄株と思われます。 一方雌株の蕗の薹に出来た種は、受粉によって種が育ち、その種は綿毛を付けてタンポポ種の様に風に乗って飛び交います。 蕗の薹から少し遅れて、地下茎から円形の葉を付けた葉柄が出て大きな葉に育ち、この茎が店頭に並ぶ馴染みのフキです。 写真で蕗の薹の右側に、紫色の茎、丸い葉をつけた植物が写り込んでいます、これは「ホタルブクロ」の幼苗で梅雨明けの頃には、草丈が50センチ余りに育ち、8センチ前後の筒状花を多数ぶら下げます。 山仲春男

今日の散歩道(259)~アマナ(甘菜)

この草花を見た事がありますか?  以前は関東以西の里山や田圃の畦道などで、普通に見れたものの様で、球根は甘く食用や薬用に使われていたそうですが、近年は環境の変化や開発により繁殖地域は急激に減少し、現在は幾つかの県で、絶滅危惧種に指定されている「アマナ」と言う植物です。 アマナの名前の由来ですが、球根が甘くて、食用に出来るのが理由のようです。 アマナは中国 朝鮮半島 日本を原産地とするユリ科の多年生植物で、他の草が伸びる前の初春に茎を伸ばし花をつけます。日光が当たる時だけ花を開き、曇りや雨の日は花を閉じます。 花は6弁で花弁の裏には赤紫色の筋が入り、草丈は15センチ程度で、他の草が伸びると、その中に存在を埋没させてしまいます。 子供の頃から、我が家の裏口を出たところの田圃の畦道の決まった場所に、 群生する場所があり、昨日彼岸の墓参で行った時に、蕗の薹を探すのも兼ねて、その畦道を覗くと、今年も同じ場所に略同じ面積で群生していました。 子供の頃、周辺の野山を駆けずり回ったものですが、我が家の田圃の畦の一部の場所以外では目にした事がありませんでした。 山仲春男

今日の散歩道(254)~タチツボスミレ属

スミレは500種以上もあり、亜種や変種はそれ以上に多くて、種の特定は難しく、グーグルレンズは能力不足で役に立たず、図鑑を使って照合しようとしても、じっくり眺めると部分的に微妙な差異があり、種の特定は本当に疲れるものです。 過日「夕霧」種はアマチュア博士に協力して貰って特定できたのですが、今後スミレには目線を合わせない様にしようと思っていたのに、数日前に、何気なく見た旧家の石垣の隙間で、また出会ってしまったので、気が進まないけれど写真に撮って、その後、種の特定を試みたもののピッタリ合致する写真に出会えず、結局過日のアマチュア博士の協力の元で特定出来ました。 写真のスミレは日本原産の「タチツボスミレ属」、この種は変種を含めて20種以上が確認されているそうです。 ・葉っぱは小型でハート型、葉脈が目立たない。 ・花茎は淡い紫色。 ・草丈は5~10センチで小さい。 ・花は淡い紫で小輪。 これらの特徴が合致し、この種はタチツボスミレ属の「山陰型」と解りました、中部地方以西で比較的乾いた場所で自生している様です。 やっぱりスミレは扱いに疲れます、大半の方に種の特定は、どうでも良い事かもしれませんが・・・・。 山仲春男

今日の散歩道(252)~ツクシ

厳しい冬が明けての幼少時、田舎育ちの私の楽しみはヨモギを摘んでの草餅、それとツクシの卵とじでした。 ツクシが顏を出す場所は毎年同じ場所に、大量に摘んで帰り時間をかけてハカマを除去したあと、亡母に渡して卵とじを作って貰ったものです。 先週種じゃが芋を植え付けに田舎に出向いた時に、ツクシを探してみたのですが、出ている筈の時期なのに、何故かまだ顔を出しておらず、まだ時期が早いのかと諦めて帰宅、それなのに吹田の街中の生垣で、既に盛りを過ぎたツクシが見つかりました。 黒い地下茎から地上に伸ばす「胞子茎」をツクシと呼び、春先最初にこれが地上に出てきます、ツクシの終盤に伸びて来るのを「栄養茎」と呼びスギナに成ります、従って写真のツクシは、もうそろそろ終盤の時期になっています。 漢字の「土筆」は、土に刺した筆の様な姿からついた名前で、「スギナ」の由来は葉っぱが杉を連想させ、最初に出て来るツクシが食用にされる事から「杉の菜」、それが和名スギナとなった説が有力の様です。                                     この植物は生命力旺盛で、深く根を張って蔓延った地下茎の完全除去は困難な厄介者でもあります、北半球の温帯地域に広く分布し、日本では全国に自生しています。 山仲春男