フランスあれこれ103 消えたパリの風物詩・煙突掃除の子ども

まずは右の写真をご覧ください。 私が初めてパリに赴任した頃は真っ黒でしたが、ものの2年と待たず真っ白に変化しました。その背景は何かと言いますと冬の暖房の煤が原因です。 皆さん「暖炉」というものをご存知でしょうか。日本では滅多に見ることが出来ませんがパリの古い住宅では欠かすことができないものです。薪や石炭での暖房時代のもので、私が赴任した頃にはほとんど使われていなかったと思いますが、古城の館や一部の高級住宅ではよく見かけたものです。 パリでは少し高い所、例えばモンマルトルの丘から街を見晴らすと、びいくりするほど煙突が林立しています。暖炉の煙突はその一部で、多くは生活用、例えば台所などの排気用の煙突です。ガスや電気を使う現在では平素は余り煙突掃除も必要がなくなっていますが、全てなくなったわけでもありません。 そこで思い出すのが子どもの煙突掃除人です。小学校高学年から中学生くらいの年齢でしょうか。聞くところによると、冬の雪深い頃にフランスの東部アルプスに近いサボア地方から集団でパリにやってきて、煤払いを仕事にしてきたそうです。地元が雪で覆われ、学校にも行けない季節を利用して伝統的に受け継がれてきた仕事だったと思われます。私もノールダムが白くなってびっくりした頃に見かけた記憶があります。けれど町が少しずつ白くなるにつれ、見かけなくなりました。 背景には暖房システムの変化があります。赴任した事務所の一階の一部が石炭の一時保管場所だったのでしょう、真っ黒い煤だらけの倉庫が残っていました。私の下宿や事務所も集中温水暖房になっていました。9月頃にもなると建物内でいつから暖房を開始しますと知らせる回覧がありました。各戸の窓際に温水暖房設備があり、自由に点滅・温度調整が出来ました。日本より遥かに進んでいると感心したものです。 昨今の温暖化で夏の冷房が必要になり個別の冷暖房も導入されているようですが、これは新しい住宅に限られるようで、冷房のない家は今も沢山あるように聞いています。

今日の散歩道(241)~セツブンソウ(節分草)

今日の散歩は、滋賀県米原市の伊吹山・山麓の深部大久保地区にて、「セツブンソウ」自生地を散策してきました。 キンポウゲ科のこの植物は日本原産、別称「春を告げる花」「春のプリンセス」と言われています。 日陰に残雪が残る奥深い山地の雑木林で可憐な花を咲かせていました。 事前に草丈は10~20センチ位と聞いていましたが、実際にははるかに小さくてビックリ、その上に、花が恥ずかし気に顏を伏せて下向きに咲いているので、顔を入れての撮影は正に地面に這いつくばった姿勢を取らざるを得ませんでした。 草丈は精々5センチ余りです。 人が足を踏み入れない山裾の雑木林にある半影地に自生し、節分の頃から開花が始まるので「セツブンソウ」と、ついた 名との様ですが、近年は開発や盗掘の為に自生地が激減し、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に登録して保護されています。 早春に塊茎から芽を伸ばし、白い花弁の様な萼片を5枚開き、白と薄紫の淡い色合いは実に可憐、太陽光に応じて花を 開閉します。 そして花の後、晩春には地上部をすべて枯らして、長い休眠に入ります。   山仲春男